プラスミドの維持
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 13:36 UTC 版)
一部のプラスミドや微生物宿主には、依存症システム(addiction system)または分離後殺傷システム(postsegregational killing system; PSK)と呼ばれるシステムが備わっており、例えば大腸菌のプラスミドR1で見られるhok / sok (宿主殺傷/殺傷抑制剤)システムなどが知られている。いくつかのタイプの中毒システム(addiction system)が報告されており、例えば毒素/抗毒素、代謝ベース、ORTシステム、などがある、生物工学(発酵)や生物医学(ワクチン療法)の分野で応用されている。これらのシステムは、長命の毒と短命の解毒剤の両方を同時に生成する。そして細胞分裂を繰り返す中で、解毒剤の遺伝子をコードしているプラスミドのコピーを保持している娘細胞は生き残ることができるが、プラスミドを継承できなかった娘細胞は親細胞からの毒が残っているために、死滅したり成長率が低下してしまう。 対照的に、pUC18、pBR322、そしてそれらの派生ベクターなどのバイオテクノロジーで使用されるプラスミドは、毒素-抗毒素の中毒システムはほとんど含まないため、プラスミドの損失を避けるためには菌体の培養中も抗生物質の圧力下で保つ必要がある。
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