ブライアン・ローソン――建築家vs.科学者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 15:15 UTC 版)
「デザイン思考」の記事における「ブライアン・ローソン――建築家vs.科学者」の解説
1972年に、心理学者・建築家・デザイン研究者のブライアン・ローソンが問題志向の人間と解決志向の人間の差異を明らかにするための経験的研究を行った。対象となる学生を2つのグループ、すなわち建築学専攻の学部4年生と自然科学専攻の大学院生に分け、色の付いたブロックを使って一層の構造を作るように指示した。層の境界線は赤色か青色のどちらかを適切に用いて縁取られていたが、それ以外にもいくつかのブロックの配置の仕方には暗黙の規則が見られた。ローソンは自身の発見について次のように述べている。 .mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}自然科学専攻の学生は、なるべく異なる種類のブロックを用いて多くの組み合わせを作り、可能な限り早く出来上がるようなデザインを試そうとした。つまり、可能な組み合わせを用いて得られる情報量を最大化しようとしたのである。可能なブロックの組み合わせ方についての規則が発見された時点で、今度はレイアウトをどのような色にすれば課題を適切に解決できるかを考え始めた[問題志向]。対照的に、建築専攻の学生は適切に色づけられた境界線が出来上がることを目指してブロックを選んでいった。一度試してみて、もし組み合わせが上手く行かなかったら、今度はその次に良いとされる組み合わせでやり直していき、採用案が発見されるまでその作業を続けた[解決志向]。 —Bryan Lawson、How Designers Think ナイジェル・クロスによれば、ローソンの研究が与えてくれる示唆とは、科学者は分析によって、デザイナーは総合によってそれぞれ問題解決を行うことだという。
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