フォントワークス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/20 21:26 UTC 版)
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種類 | 株式会社 |
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略称 | FW |
本社所在地 | ![]() 〒107-0061 東京都港区北青山3丁⽬2-4 ⽇新⻘⼭ビル5F 北緯35度40分08.9秒 東経139度42分55.4秒 / 北緯35.669139度 東経139.715389度座標: 北緯35度40分08.9秒 東経139度42分55.4秒 / 北緯35.669139度 東経139.715389度 |
設立 | 1993年8月9日 (株式会社フォントワークスジャパン) |
業種 | 情報・通信業 |
事業内容 | 書体の企画・開発・販売 |
代表者 | 代表取締役社長 佐藤文宣[1] |
資本金 | 2000万円 |
純利益 | 5億2240万7000円 (2023年3月期)[2] |
総資産 | 42億7232万6000円 (2023年3月期)[2] |
主要株主 | Monotype |
外部リンク | https://fontworks.co.jp/ |
フォントワークス株式会社は、フォント制作会社。1993年創業。本社は東京都港区北青山。
2023年に米国のMonotype社により買収される[3][4]。2025年2月13日、商号をMonotype株式会社へ3月31日付で変更することを発表した[5]。
概要
かつては「フォントワークスジャパン」という社名であったが、これは同社が香港企業Fontworks International, Ltd.の販売代理店として設立されたという経緯による[6][7]。
1990年、業界で初めて日本語PostScriptフォント(OCFフォント)パッケージをリリースした[8][注釈 1]。日本語DTP環境においては、モリサワなどと並び、出版・放送などでのシェアを伸ばしている。初期に開発・発売した自社ブランドフォントの多くに芸術家の名を使っており、ロダン、マティスなどがある。
沿革
1990年1月、香港でFontworks International, Ltd.が設立される[6][7]。12月、Postscript日本語フォント「ロダン-DB」を発売[6]。
1993年8月、日本での販売代理店として、株式会社フォントワークスジャパンが設立される[6][7]。
2002年、年間定額制フォントサービス「LETS(Leading Edge Type Solution)」を開始する[11]。
2008年7月、社名を株式会社フォントワークスジャパンからフォントワークス株式会社へ変更する[6]。事務所が福岡市中央区天神から福岡市博多区上川端町へ移転する[6]。
2013年6月11日、ソフトバンクテクノロジーが松雪文一元社長らから発行株式のうち88%を取得し子会社化すると発表した。取得額は17億7100万円。[12]
2018年3月1日、年間定額制のフォントサービス「mojimo」を開始する[13]。
2019年12月、本社を福岡市博多区から東京都港区へ移転し、福岡本社は「Fukuoka Creative Lab」となった[14]。
2023年、米国のMonotype Imaging社がフォントワークスを買収[3][4]。
2025年2月13日、商号をMonotype株式会社へ3月31日付で変更することを発表した[5]。
事業所
- 東京本社
- 〒107-0061 東京都港区北青山3丁⽬2-4 ⽇新⻘⼭ビル5F( 北緯35度40分08.9秒 東経139度42分55.4秒 / 北緯35.669139度 東経139.715389度)
- Fukuoka Creative Lab
- 〒812-0026 福岡県福岡市博多区上川端町13-15 安田第7ビル7階( 北緯33度35分42.4秒 東経130度24分25.5秒 / 北緯33.595111度 東経130.407083度)
LETS
フォントワークスはOCF、CID、OpenType(Windows環境に限りTrueTypeも提供されている)といった各形式のフォントを販売しているが、売り切り制ではなく年間契約方式の「LETS」(Leading Edge Type Solution)というサービスを提供している。これは、年会費を払っていれば、OSの違いを気にすることなく、さまざまな書体を使うことができるという包括的なサポートプログラムで、2005年からイワタも参加している。また、2009年2月よりタイプバンクも「タイプバンクLETS(2010年4月にモリサワの完全子会社になったことに伴い2012年8月に終了し、同年9月に「TypeBank PASSPORT」を開始)」の名称で、2010年には白舟書体も「白舟LETS(2018年をもって契約を終了し、2019年3月22日よりシヤチハタ・白舟書体共同運営の「J-Font.com」に移行)」の名称で、2016年にはモトヤも「モトヤLETS」の名称で、2019年には昭和書体も「昭和書体LETS(「昭和書体全集」販売開始に伴い2022年8月31日をもって終了)」の名称で参加している[注釈 2][15]。
この年間契約方式のライセンスプログラムはフォントメーカー他社にも影響を与えており、モリサワが同様の仕組みである「MORISAWA PASSPORT」(モリサワ・パスポート)を開始しているほか、ダイナコムウェア・視覚デザイン研究所などが同様のライセンスプログラムを開始している。
mojimo
2018年3月1日から開始された年間定額制のフォントサービスで、「ちょうどいい文字を、ちょうどいい価格で」のコンセプトで、第1弾として同人誌などを制作する個人を対象とした「mojimo-manga」がリリースされた[16]。
その後、第2弾から第4弾として広告やチラシ向けの「mojimo-kirei」「mojimo-kawaii」「mojimo-oishii」、第5弾としてインディーズゲームや同人ゲーム向けの「mojimo-game」、第6弾として期間限定の「mojimo-joshi」がリリースされた[17]。動画配信者向けの「mojimo-live」も追加され[18]、開始から約1年で7パックが登場した[19]。
2022年1月26日にはエヴァンゲリオンに使用されたフォントとしても知られる書体「マティス-EB」を収録した「mojimo-EVA」がリリースされた[20]。
主なフォント
- 筑紫シリーズ
-
フォントワークスのフラッグシップフォントと呼ぶにふさわしい書体。
- 筑紫明朝
- 筑紫ゴシック
- 筑紫A丸ゴシック
- 筑紫B丸ゴシック
- UD書体シリーズ
-
- UD明朝
- UD角ゴ
- UD丸ゴ
- ベイシックシリーズ
-
従来のクラシックシリーズとはひと味違う準定番として開発された書体。
- モード明朝A
- モード明朝B
- テロップ明朝
- スキップ
- ハミング
- 大江戸勘亭流
- アンチックセザンヌ
- キャッチシリーズ
-
キャッチコピーや見出しなどに適した書体。
- カラット
- コメット
- ロウディ
- スランプ
- ロックンロール
- Popハッピネス
- Popジョイ
- Popフューリ
- キアロ
- ミステリ
- レゲエ
- ラグラン
- ラグランパンチ
- ユールカ
- ベビポップ
- パルレトロン
- デザインクラブ
-
これまでにないジャンルを切り開く書体デザイナーがデザインし、フォントワークスがプロデュースした個性あふれる書体。大日本印刷の「秀英体」および昭和書体については、モリサワからもリリースされている(互換性はない)。
- 秀英明朝
- 秀英初号明朝
- 秀英横太明朝
- 秀英四号かな
- 秀英四号太かな
- 秀英角ゴシック金
- 秀英角ゴシック銀
- 秀英アンチック
- 秀英丸ゴシック
- アニト
- あられ
- ぶどう
- くろかね
- あおかね
- ニューシネマ
- アーク
- 古今江戸
- 古今髭
- 角隷
- 豊隷
- ゴスペル
- クックハンド
- かなシリーズ
-
クラシックシリーズ(マティス・ロダン・スーラ・セザンヌ)にウエイトを合わせたかな書体。OpenTypeは予めクラシックシリーズの漢字と混植した総合書体となっている。
- えれがんと(マティスえれがんと)
- マティスV
- キャピー(スーラキャピー) - 同じタイプフェイスがモリサワからも『キャピーN』としてリリースされている(ただしラテン文字・数字・「!」などの約物が新丸ゴになっており、漢字を含まないかな書体となっている)。
- NTLG(ロダンNTLG) - 同じタイプフェイスがモリサワからも『タイプラボN』としてリリースされている(ただしラテン文字・数字・「!」などの約物が新ゴになっており、漢字を含まないかな書体となっている)。
- 墨東(ロダン墨東・セザンヌ墨東) - 同上。
- わんぱく(ロダンわんぱく) - 同上。
- ハッピー(ロダンハッピー) - 同上。
- カトレア(ロダンカトレア)
- マリア(ロダンマリア)
- 企業特注フォント
脚注
注釈
出典
- ^ “フォントワークス株式会社、2025年3月31日に「Monotype株式会社」へ商号変更”. Monotype (2025年2月13日). 2025年9月14日閲覧。
- ^ a b フォントワークス株式会社 第30期決算公告
- ^ a b “Monotype日本を代表するタイプファウンドリーのフォントワークスの買収計画を発表” (2023年7月19日). 2023年7月19日閲覧。
- ^ a b ““エヴァフォント”開発元のフォントワークス、業界最大手の米Monotypeが買収”. ITmedia News (2023年7月19日). 2023年7月19日閲覧。
- ^ a b “フォントワークス、社名消滅へ 「Monotype株式会社」に商号変更”. ITmedia NEWS (2025年2月14日). 2025年2月15日閲覧。
- ^ a b c d e f “沿革”. Monotype. 2025年9月14日閲覧。
- ^ a b c “アタリフォントから始まる“ゲームとフォントの歴史”──『時のオカリナ』はキアロ、PS3のシステムフォントはニューロダン、そしてVRは…”. 電ファミニコゲーマー (2018年10月30日). 2025年9月14日閲覧。
- ^ 澤田善彦 (2002年5月25日). “写植フォントのオープン化(3)─フォント千夜一夜物語(4)”. 日本印刷技術協会. 2025年9月21日閲覧。
- ^ 澤田善彦 (2002年5月25日). “写植フォントのオープン化(2)─フォント千夜一夜物語(3)”. 日本印刷技術協会. 2025年9月21日閲覧。
- ^ 山本太郎 (2018年4月10日). “アドビの日本語フォント開発 30年の歩み 前編 #フォントの日 #Typekit”. Adobe Blog. 2025年9月21日閲覧。
- ^ “フォントワークス、年間定額制サービス「LETS」リニューアル 2台のPCで同時接続可”. マイナビニュース (2021年1月21日). 2025年9月14日閲覧。
- ^ “ソフトバンク・テクノロジー、フォントワークスを子会社化”. ITmedia (2013年6月11日). 2025年9月14日閲覧。
- ^ フォントワークス (2018年3月1日). “最適な書体・価格で提供するフォントサービス「mojimo」をスタート”. PR TIMES. 2025年9月21日閲覧。
- ^ 『本社移転についてのお知らせ』(プレスリリース)フォントワークス株式会社、2019年12月2日 。2020年5月9日閲覧。
- ^ “年間定額制フォントサービス「LETS」 | Fontworks”. Fontworks|フォントワークス (2019年12月23日). 2023年1月15日閲覧。
- ^ “フォントワークス、特定の用途や利用シーンに最適なフォントを提供するサービス「 mojimo 」をスタート 第1弾は同人誌制作を応援する「mojimo -manga」”. gamebiz (2018年3月5日). 2025年9月21日閲覧。
- ^ “【インタビュー】「ちょうどいい文字を、ちょうどいい価格で」提供する「mojimo-game」とは…個人でも使えるフォントサービスの利点を開発者に訊く”. gamebiz (2019年3月19日). 2025年9月21日閲覧。
- ^ 沓澤真二 (2019年3月12日). “テロップに凝りたいYouTuberに 40書体が年額9800円で使える動画制作者用フォントサービス「mojimo-live」”. ねとらぼ. 2025年9月21日閲覧。
- ^ 黒木貴啓 (2019年4月12日). “「フォント=プロデザイナー向けという概念を覆したい」 商用フォントが1書体100円ほどで使える「mojimo」はなぜ生まれたか”. ねとらぼ. 2025年9月21日閲覧。
- ^ 杉浦志保 (2022年1月26日). “エヴァフォントを年額999円で使える「mojimo-EVA」 TVシリーズ/新劇場版の書体を収録”. マイナビニュース. 2025年9月21日閲覧。
- ^ 『フォントワークス、LINEオリジナルフォント『LINE Seed JP』を共同開発』(プレスリリース)フォントワークス株式会社、2022年10月24日 。2023年4月7日閲覧。
- ^ 『テレビ朝⽇オリジナルフォント 『テレ朝UD』を開発』(プレスリリース)フォントワークス株式会社、2022年10月3日 。2023年4月7日閲覧。
- ^ 『フォントワークス、クレディセゾンのコーポレートフォント「SAISON Sans」および「SAISON Sans Advance」を開発』(プレスリリース)フォントワークス株式会社、2024年12月3日 。2025年7月8日閲覧。
外部リンク
- Monotype.|モノタイプ
- Webフォント・サービス FONTPLUS
- フォントワークス (@fontworks) - Instagram
- フォントワークス - YouTubeチャンネル
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