フェミニストの意見の違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 09:50 UTC 版)
「性的対象化」の記事における「フェミニストの意見の違い」の解説
フェミニストには様々な派閥がある。リベラル・フェミニストには、あくまで実在女性に対して行われる暴力や人権侵害のみを問題とし、女性の選択の自由や自己表現の観点から、セクシーな服装やアダルト産業従事者、それを求める男性の権利を認める者も多い。 ラディカル・フェミニストの主張は異なっており、以下のようなものが多く見受けられる。 大衆娯楽は、プロデューサーなど権力者のほとんどが男性であり、彼らの意向で男性へのサービスのために「女性がセクシーな服を着させられたり、男性受けするふるまいをさせられている=支配されている」ため、女性差別である。 女性が自分の意志でそのように振舞っていると思っている場合は、家父長制・パターナリズムによる男性優位社会で育ったため、男性の支配を当たり前と思い(=内面化し)、セクシーさ、女らしさ、男性への媚びなどの性的アピールがよいものだと思わされている。 アニータ・サーキージアンとFemFreqは、「ゲームの作り手は男性が多く、女性の性的表現は権力者の男性による男性のためのものであるため、女性差別である」「ゲームコミュニティやゲーム業界は、男性に支配された世界(Male Dominated World)である」としている。 キャサリン・マッキノンは、「日本のレディースコミック(ティーンズラブやボーイズラブなど)を女性たちが買ってポルノとして使っているのをどう思うか」に対し、「女性向けのポルノというのは、実は男が男向けに作っているのであり、その読者の99 %は男である」と答えた。 一方で、フェミニストで研究者のエミコヤマはTwitterで、「女性が女性のためのセクシュアルなメディアを作るのは、フェミニズムでよくある」「女性が作り、女性が消費することについては、ラディカル・フェミニストにとっては別に驚くようなことでもない」と述べた。 このように、フェミニストの中でも様々な意見・主張があるため、「フェミニストは総じて表現規制を求めている」と断言はできない。
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