フィリピン語とタガログ語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/03 23:08 UTC 版)
「フィリピン語」の記事における「フィリピン語とタガログ語」の解説
フィリピン語が何を意味するかは、フィリピン人の間でも見解が分かれている。フィリピン人の大多数は、フィリピン語は単にタガログ語の別名であり、マニラ首都圏で話されているタガログ語のことを指していると考えている。 一方、フィリピン語はフィリピンの各言語が融合した言語であると主張する立場もあるが、フィリピンにある諸言語は一つの言葉の方言ではなく、タガログ語やセブアノ語など相互に意思疎通のできない別々の言葉であるため、仮に全ての言語の語彙や文法を混ぜてしまえば、違う言語を母語とする国民同士が意思疎通するという共通語の目的がかえって阻害される恐れがある。 また、タガログ語では英語の語彙をタガログ語に置き換える傾向があるのに対し、フィリピン語では英語の語彙が直接用いられていることも指摘されている。 言語学的には、タガログ語とフィリピン語は共通の言語における表記上の差を有し、両者の違いは、表記法、外国語からの語彙の導入および国家による標準化の有無にあるものと考えられる。 現実的には、フィリピン語はマニラ首都圏で話されている言語である。フィリピン各地から多くの人口がマニラに流入するにともない、フィリピン語にはフィリピン各地の言語からの語彙が含まれるようになってきた。フィリピン語は現在でも発展を続けており、「正しい」用法や語彙を特定するのは困難である。 ほとんどのフィリピン人は、フィリピン語の他にも出身地の言語を用い、またアメリカ英語も広く用いられているため、フィリピン語を定義することは、さらに難しくなっている。今ではタガログ語に英語が混ざったタグリッシュ(Taglish)と呼ばれる言語を話す人も多い。
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