ファースト‐ファッション【fast fashion】
ファストファッション
(ファーストファッション から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/05 14:58 UTC 版)
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ファストファッション(英: fast fashion)は、最新の流行を取り入れながら低価格に抑えた衣料品を、短いサイクルで世界的に大量生産・販売するファッションブランドやその業態[1][2]。価格を抑えるために、製造小売業 (SPA) の形態をとっている会社が多い。
解説

早くて安いファストフードになぞらえて、2000年代半ば頃から呼ばれるようになった[2]。2009年の新語・流行語大賞トップテンにも選ばれた[3]。
2015年までの10年で、日本国内では外資系ファストファッションの店舗数が倍増した[4]が、その後は閉店・撤退するブランドが増え、2021年時点の国内合計売上は2015年に比べ半減している[5]。
手頃な価格でファッションを楽しめる一方で、中国やベトナム、バングラデシュなど衣類の生産を受け持つ発展途上国の工場や、ショップで働く従業員の人権問題、また工場を置いている国での環境汚染問題などがたびたびメディアで取り上げられ大量消費社会の象徴と批判されている[6]。ユニクロの創業者である柳井正は、イギリスBBCのインタビューで「ファストファッションには未来はない」「安易に物作りしすぎで、地球の資源を無駄にしている」と述べた[7]。フランスでは2025年にファストファッションを規制する法案が議会上院で可決され、SHEINなど超低価格ファストファッション企業やその製品について、広告やインフルエンサーによる宣伝などが禁止されることとなった[8][9]。
また、世界的な経済格差と貧困拡大によって、安価なファストファッションの衣類しか購入できない層が増えており、日本でも2015年時点で日本人の着ている衣料品の45%が安価な衣類という状況になっている[4]。
定義
ファストファッションとは、最新の流行を取り入れた衣料品を迅速に生産・供給するというのが本来の意味である[1]が、「低価格ブランド」と同義であると捉えられることも多い[10]。
ファストファッションに分類されることが多いユニクロは、流行を取り入れたものよりも定番商品が主力であることから、ファストファッションではないとする見方もある[1][11]。また、ユニクロは商品企画から店頭に並ぶまでに1年以上かかるため、本来の定義としてのファストファッションには該当しない[10]。
ユニクロ創業者の柳井は「ZARAはファストファッションだが、ユニクロは違う」[12]「ユニクロはファストファッションではない。何シーズンでも何年でも着られる。使い捨ての服は作らない」[13]と述べている。H&MやZARAも同様に「我々はファストファッションではない」とコメントしている[10][14]。
代表的なブランド
- 日本
-
GU
-
しまむら
-
Honeys
-
WEGO
-
GLOBAL WORK
- 中国
- スウェーデン
- H&M(売上高業界世界第2位)
- アメリカ
- GAP(売上高業界世界第4位)
- Old Navy
- FOREVER 21
- AMERICAN EAGLE OUTFITTERS
- Urban Outfitters
- Abercrombie & Fitch
- Hollister
- Armani Exchange
- Lucky Brand Jeans
- スペイン
- イギリス
- ベルギー
- C&A
- フランス
- Celio*
脚注
- ^ a b c 「ファストファッション」『知恵蔵』 。コトバンクより2024年10月9日閲覧。
- ^ a b 「衣料品(3) カジュアル化、銀座まで」『朝日新聞デジタル』朝日新聞社、2010年3月19日。2024年10月27日閲覧。
- ^ “第26回 2009年 授賞語”. 「現代用語の基礎知識」選 ユーキャン 新語・流行語大賞. 自由国民社. 2024年10月27日閲覧。
- ^ a b 『しんぶん赤旗』2015年5月12日、11面
- ^ “日本は「もう終わった国」なのか…H&M、GAPなどが“閉店続々&撤退ラッシュ”で、外資系アパレルチェーンに「日本が見限られた」!”. マネー現代. 講談社 (2022年8月9日). 2022年8月14日閲覧。
- ^ 5 Truths the Fast Fashion Industry Doesn't Want You to Know ハフィントンポスト(英語版)、2014年8月19日
- ^ 大井真理子「ユニクロの柳井正氏、新疆綿は「使っていない」 BBCインタビューで説明」『BBC News Japan』2024年11月28日。2025年7月5日閲覧。
- ^ 「仏ファストファッション規制法案 上院委で修正可決」『繊研新聞』繊研新聞社、2025年3月27日。2025年7月5日閲覧。
- ^ 「フランス上院、「ファストファッション法案」可決」『AFP BB』2025年6月11日。2025年7月5日閲覧。
- ^ a b c 南充浩 (2019年8月28日). “ファッションにおける"ビジネスベース"と"トレンドベース"の2つの側面”. FASHIONSNAP. レコオーランド. 2025年7月5日閲覧。
- ^ 実は服以外のこだわりもハンパじゃない!? MBが語り尽くす「ユニクロのスゴさ」 新R25、Cyber Now、2020年3月7日、2020年3月7日閲覧。
- ^ Carmen Mañana (2017年9月2日). “「ZARA帝国」に柳井正が挑む スペインで「ユニクロ」は生き残れるか?”. クーリエ・ジャポン. 講談社. 2025年7月5日閲覧。
- ^ 「ユニクロと東レ、ニューヨークで初の合同イベント」『繊研新聞』繊研新聞社、2017年10月25日。2025年7月5日閲覧。
- ^ 「ザラはなぜ強いのか インディテックスの現場に迫る」『繊研新聞』繊研新聞社、2017年8月4日。2025年7月5日閲覧。
関連項目
- ファーストファッションのページへのリンク