ビデオレンダラーフィルター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/08 02:08 UTC 版)
「DirectShow」の記事における「ビデオレンダラーフィルター」の解説
当初、DirectShowが映像を再生する手段としてビデオレンダラーフィルターが用いられた。これは、まずDirectDraw、それが駄目ならGDIを用いて描画するレンダラーである 。ビデオレンダラーでは、ビデオウィンドウへのアクセスが制限される。Video for Windowsでは、映像再生用ウィンドウのハンドルに対して、アプリケーションが適切な扱いをしないことに起因するデッドロックに苦慮したため、初期のDirectShowでは、再生するためのウィンドウへのハンドルがアプリケーションから隠蔽されていたこともあった。そのため、画面の映像上に字幕の文字や絵を描画する確実な方法は当時存在しなかった。 DirectShow 6.0では、DirectX Mediaの一部として、オーバーレイミキサーをリリースした。これは、字幕を付けてのDVDやストリーミング放送の再生のために作られ、DirectDrawをレンダリングに用いる。なお、オーバーレイミキサーの使用の際には、ウィンドウ管理のためフィルター接続の下流に「ビデオレンダラー」フィルターが必要である。オーバーレイミキサーは(PCIを通さず直接ビデオカードへ映像信号を送る)オーバーレイ対応のアナログTVチューナーカードと協調するためのVideo Port Extensions (VPE) もサポートしている。また、DXVA接続にも対応している。 Windows XPではVideo Mixing Renderer 7 (VMR-7、単にVMRと表記されることも) が導入された。この7は、GDIを全く使用せずDirectDrawバージョン7を描画に用いることに由来する。VMR-7の特徴は、複数のストリームやグラフィックスの混合が可能になったことである。例えば、アプリケーションが映像上に文字や絵を乗せることが可能になったのである。また、VMR-7にはウィンドウハンドルの扱いに関する問題を改善した「ウィンドウレスモード」が存在する。公式には、VMR-7はWindows XP以降にしか用意されていない。 DirectX 9ではVMR-9が搭載されている。これはDirectDrawではなく、Direct3D 9を描画に用いる。こちらは、DirectX 9が使用可能なすべてのWindowsで利用可能である。 Windows Vistaでは、Media FoundationとEnhanced Video Renderer (EVR)と呼ばれる新しいレンダラーが用意されている。EVRはDXVA 2.0に対応しているが、Windows Vistaには搭載されていない。
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