ヒューズ EX-34とは? わかりやすく解説

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ヒューズ EX-34

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/29 22:40 UTC 版)

ヒューズ EX-34
FV512に搭載されたL94A1
種類 チェーンガン
原開発国 アメリカ合衆国
運用史
配備先
関連戦争・紛争 湾岸戦争, イラク戦争
開発史
開発者 ヒューズ
製造業者
値段 £7,920
製造期間 1980年-1990年代初頭
1996年-1998年
派生型 L94A1(長銃身型)
諸元
重量 長銃身型: 17.86 kg
短銃身型: 13.7 kg
全長 長銃身型: 1.25 m
短銃身型: 660.4 mm
銃身 長銃身型: 703 mm
短銃身型: 580 mm

弾丸 7.62x51mm
口径 7.62mm
作動方式 自動機構: チェーン駆動式
遊底閉鎖: 回転式
発射速度 520-550発/分
初速 862 m/s
装填方式 ベルト給弾
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ヒューズ EX-34は、ヒューズ・ヘリコプターズ社が開発したチェーンガン[注 1]7.62x51mm NATO弾を使用しており、同社のチェーンガン・ファミリーの中で最小のモデルである[2]

設計

本銃の設計には、ヒューズ社が先行して開発した30mm口径(M230)および25mm口径(M242)のチェーンガンと共通する部分が多い[2]。自動機構を駆動するための外部動力としては24ボルト・出力0.3 hp(0.22 kW)の電動機が用いられ[3]、発射速度を容易に調整することができる[4]。またM242と同様に空薬莢銃身に沿って前方に排出されることから、車載機銃として設置した場合でも、機関部から発生する有毒ガスの車内への流入や、空薬莢の散乱を避けることができる[2][4]。弾帯を外すことなく、10秒以内に銃身を交換することができる[3]

M60戦車の同軸機銃として、特別な改修なしに搭載できるよう設計されており、M73機関銃から換装することができる[2]。また500MD軽攻撃ヘリコプターへの搭載を想定した派生型としてHGS-55も開発された[3]

運用

EX-34はアメリカ陸軍および海軍水上戦センター(NSWC)英語版ダールグレン支所での試験に供された[3]。海軍の試験は信頼性、耐久性、性能能力、安全性、扱いやすさを判断するものであり、EX-34はすべての試験段階において傑出した性能を示したと報告された[3]。海軍は、M242チェーンガンを単装に配したMk.38 25mm機関砲システムのmod.3において、7.62mmチェーンガンであるMk.52を同軸機銃として導入した[5]

イギリス軍も、1979年に少数のEX-34を購入して試験に供したのちに採用を決定し、長銃身化したものがL94A1として制式化された[3]。まずロイヤル・スモール・アームズ・ファクトリー[4]、後にはヘッケラー&コッホによってライセンス生産され、イギリス陸軍ウォーリア装甲戦闘車セイバー偵察装甲車チャレンジャー2主力戦車に搭載された[6]

陸上自衛隊は、2024年に制式化された24式装輪装甲戦闘車を始めとする共通戦術装輪車用の連装銃(同軸機関銃)として7.62mm機関銃MK52の名称で採用した。

脚注

注釈

  1. ^ a b ヒューズ社の銃砲部門は1984年マクドネル・ダグラスに買収されたが、同社自体が1997年にはボーイングに買収された[1]2002年にはボーイング社の銃砲部門はアライアント・テックシステムズ(ATK)社に売却され、2015年にはオービタルATKに改編された後、2018年にはノースロップ・グラマンに買収されてノースロップ・グラマン・イノベーション・システムズとなった[1]

出典

  1. ^ a b Williams 2022, pp. 313–315.
  2. ^ a b c d Chinn 1987, p. 457.
  3. ^ a b c d e f Gander 2002, MACHINE GUNS, UNITED STATES OF AMERICA.
  4. ^ a b c 床井 2006, p. 285.
  5. ^ Tony DiGiulian (22 January 2019), 7.62 mm Bushmaster Chain Gun Mark 52, http://www.navweaps.com/Weapons/WNUS_762_Chaingun_mk52.php 2024年4月18日閲覧。 
  6. ^ Gander 2002, MACHINE GUNS, UNITED KINGDOM.

参考文献

関連項目


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