ヒューズ・インゴルド則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 00:51 UTC 版)
脱離反応および求核置換反応に対する溶媒効果はイギリスの化学者エドワード・D・ヒューズとクリストファー・ケルク・インゴルドにより初めて研究された。 始状態と遷移状態におけるイオンもしくは双極子を持つ分子と溶媒との純粋に静電相互作用のみを考慮する単純な溶媒和モデルを用いて、全ての求核置換反応と脱離反応は異なる荷電分類(中性、正電荷、負電荷)に組織化される。ヒューズとインゴルドは溶媒和の程度について次のような状況で期待されるいくつかの仮定を置いた。 電荷が大きいほど溶媒和は大きい 非局在化が強いほど溶媒和は小さい 電荷の損失は電荷の分散よりも溶媒和を小さくする これらの一般的仮定を置くと次のような効果が当てはまる。 溶媒の極性が大きいと、中性もしくは弱い電荷を帯びた反応物と比べて電荷の大きい活性錯体を持つ反応の反応速度は加速される。 溶媒の極性が大きいと、反応物に比べて電荷が少ない活性錯体を持つ反応は減速される。 溶媒の極性が変化しても、反応物の電荷と活性錯体の電荷とが同一かほとんど変わらないような反応の反応速度には影響がない。
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