ヒストンバリアント
英語:histone variant
染色体を構成するヒストンのうち、互いに類似しているが、僅かにアミノ酸配列が異なっている変異体のこと。例えば、ヒストンにはH1, H2A, H2B, H3, H4の5種類が知られているが、そのうちヒト由来のH3ヒストンにはH3.1、H3.2、H3.3、H3t、CENP-Aの5つのバリアントが知られている。バリアントによって機能が異なっているといわれる。
2014年2月に理化学研究所の研究グループは、iPS細胞の作製にあたって、ヤマナカファクター(山中因子)とヒストンバリアントを組み合わせて添加することで、作製効率が20倍になることを報告した。
関連サイト:
卵子の「異型ヒストン」がiPS細胞の作製を促す - 理化学研究所
ヒストンバリアント
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 08:06 UTC 版)
「ヌクレオソーム」の記事における「ヒストンバリアント」の解説
ヒストンは進化の過程で顕著に保存されているが、いくつかのバリアントが同定されている。このヒストンの機能の多様化はH2AとH3にほぼ限られており、H2BとH4はほぼ不変である。H2AはH2A.Z(ヌクレオソームの安定性の低下をもたらす)またはH2A.X(英語版)(DNA修復やT細胞の分化と関係する)によって置き換えられる場合があり、哺乳類の不活性化X染色体にはmacroH2A(英語版)が多く存在する。H3はH3.3(活発な遺伝子や調節エレメントと相関する)に置き換えられる場合があり、セントロメアではH3はCENPA(英語版)によって置き換えられる。
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