パイオニア植物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 07:23 UTC 版)
セクロピアは新熱帯区の湿潤低地や山地森林における主要な先駆樹である。これらの木は、アメリカ熱帯雨林の広領域における生態系の特徴であり、場所によっては優占樹種となっていると推測される。活動的に急成長し、漿果をならす木は様々な動物から喜んでエサとして受け入れられているが、一方で森だった場所をならした草地や、人間の活動により伐採された場所へ真っ先に出現しそこを占拠するパイオニア植物の傾向が見られる。ブラジルでシルバーセクロピアと呼ばれるセクロピア・ホロレウカ Cecropia hololeuca は、銀色の葉が見栄えする観賞用植物で、造園や都市計画に使用される。類似種であるセクロピア・パキスタキア C. pachystachya も同様な事例に用いられる。 温室効果の実験が、セクロピアのうちギャップ及びパイオニア植物の性質を示す種を用い日照及び栄養条件を違えて行われてきた 。であるが、数種( C. maxima, C. tacuna, C. teleabla, C. telenitida )は、森林中にて均等に生えるような、先駆種の特徴を示さなかった 。パイオニア植物としてのセクロピアは空き地で発生し、比較的急速な成長を遂げ、その葉はあまり長持ちしないので、長時間の日照を必要とする 。マッキーの理論によれば、これらの先駆種は、本来の成長がより遅く、葉も長持ちする種よりもパール体をよく成熟させ、ミューラー体の成熟を二の次にする傾向がある。あまり日の射さない(つまり通常よりも日陰になる)ギャップでは、アリ植物として特色のあるセクロピアが発見されている。
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