バタフライ・カウント
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/14 06:23 UTC 版)
一般人がチョウの生息域や相対豊富度の研究に参加するバタフライ・カウント(英語版)という取り組みは長い伝統を持っている。歴史の長いバタフライ・カウント・プログラムには、UKバタフライ・モニタリング・スキーム(1976年開始)、北アメリカチョウ類協会によるバタフライ・カウント・プログラム(1975年開始)の二つがある。一般参加者がチョウを観測するプロトコルはさまざまで、プロジェクトによって異なる方法が採用される。メリーランド大学が主導する北米バタフライ・モニタリング・ネットワークはプロトコルを次の五種類に分類している。 限定的な調査地(トランセクトやプロットなど)を定期的に調査する方法。 やや広い地域を隅々まで調査する方法。「カウント」など。 多くの調査者により、州レベルの広大な地域に生息する種の全貌を明らかにするアトラス・プロジェクト。 調査地や対象種を限定せず、任意の偶発的な目撃情報を収集する方法。 北米で最も注目されるオオカバマダラ種(英: monarch、モナーク)を対象とした調査。 渡りチョウとして知られるオオカバマダラを対象とするプログラムの例としては、全米規模のモナーク・ウォッチや、地域的なケープ・メイ・モナーク・モニタリング・プロジェクトが挙げられる。これらは秋にメキシコの越冬地へ南下する個体をカウントする。 オーストリアのプロジェクトViel-Falterは、事前に指導を受けた6歳から20歳までの生徒が監督の下でチョウの観察を行った場合に、どの程度までシステマティックなデータ収集が可能か、またそのようなデータを基にして恒久的なモニタリングシステムを構築するにはどうしたらいいかを研究した。その結果によると、一部の種や種群の同定に不確かさがあるものの、生徒が集めたデータは生息地の質をおおむね正しく予測することができたという。
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