ハングルの創製
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 16:26 UTC 版)
韓国で最も知られる功績が訓民正音(ハングル)の創製である。 当時朝鮮は漢字文化圏であり漢字以外に文字はなかった。話し言葉以外に意思を伝える術を持たず、漢字の読み書きが出来ない民衆を哀れに思った世宗は、1446年にパスパ文字を参考に表音文字である訓民正音を制定した。しかし、漢字こそ文字であり唯一の表意方法であるとする重臣達はこれに反対した。保守派は明(中国)の一部であるからこそ一流の文化を得られると主張し、独自の民族文字を以て中国の文化圏から離れれば、モンゴル人・チベット人・満州人・日本人らのように野蛮人に成り下がると訴えた。また、側近の中にはどうしてもと言うのなら自分を殺して文字を制定して下さいと頑なに阻む者もあり、漢字による知識を独占したい両班(ヤンバン)の反発も受けた。さらにこの事が宗主国である明にも伝わり、朝鮮が反逆を企てていると怒りを買ったとも言われている。 こうした反対勢力に対し、世宗は「これ(ハングル)は文字ではなく漢字の素養が無い民に発音を教えるための記号に過ぎない」と言い反逆の意思がない事を強調し、保守派の反対をよそにハングルの制定を断行した。制定につき勅書の序文には「愚民達は言いたい事があっても書き表せずに終わることが多い。予は其れを哀れに思い、新たに28文字を制定した。民が簡単に学べまた日々の用に便利にさせることを願っての事である」と記されている。
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