ハシキンメとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 自然 > 生物 > 魚類 > > ハシキンメの意味・解説 

ハシキンメ

学名Gephyroberyx japonicus 英名:Blueberry roughy
地方名: 
脊椎動物門硬骨魚綱キンメダイ目ヒウチダイ科
色 形 長崎・日本・世界 住みか 動画 3D

※出典:長崎県水産部ホームページ

特徴
吻端に前方突出する1対のかたい小さなトゲがあるウロコははがれにくい。腹部の縁に9〜16大きウロコが並ぶ。深海性だが稀に定置網等にはいる。キンメダイと同様、肉質はしまり美味なとされる

分布:相模湾以南西部太平洋 大きさ:30cm
漁法:底曳き(そこびき)網、定置網 食べ方:煮付け粕漬けなど

端金眼

読み方:ハシキンメ(hashikinme)

ヒウチダイ科海水魚


ハシキンメ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/29 18:03 UTC 版)

ハシキンメ
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: キンメダイ目 Beryciformes
: ヒウチダイ科 Trachichthyidae
: ハシキンメ属 Gephyroberyx
: ハシキンメ G. japonicus
学名
Gephyroberyx japonicus
(Döderlein, 1883)[1]
シノニム
  • Trachichthys japonicus Döderlein, 1883[1]
和名
ハシキンメ
英名
blueberry roughy
big roughy[2]

ハシキンメGephyroberyx japonicus)は、キンメダイ目ヒウチダイ科に属する深海魚[3][2]。本種に対して Gephyroberyx darwinii の学名を選択している資料もある[4]

分類

ヒウチダイ科の魚は、FishBaseによれば8属52種[5]、日本で3属6種が知られている[3]

日本近海でみられる本種に関しては、文献により Gephyroberyx darwiniiGephyroberyx japonicus の学名が使われている[4]

本種は東京市場に水揚げされた個体を、1883年にデーデルラインが新種記載した[6]。属名の Gephyroberyx の gephyro は橋を、beryx はキンメダイを意味する[2]

名称

『図説 魚と貝の事典』では、漢字に「端金目」をあて、和名のハシキンメの由来については不詳としている[7]

『山溪カラー名鑑 日本の海水魚』で清水長は属名中の gephyro は橋の意であると記載している[8]

尼岡邦夫は、ハシキンメの名称は、学名の gephyro が橋、beryx がキンメダイを意味することに由来し、背びれの棘部の形が橋を連想させると述べている[2]。また「端金目」の表記は誤りであると思われると述べ、「橋金目」の漢字表記をあげている[2]

和名のハシキンメは、属名の Gephyroberyx を直訳したものとされ、gephyro は「橋」を、beryx は「キンメダイ」を意味し、1913年にジョルダンらによって提唱されたという[6]

藤原昌高は、高木正人著『全日本及び周辺地域に於ける魚の地方名』(1970年、国立国会図書館書誌ID:000001339819)にハシキンメは神奈川県江ノ島での呼び名とあることから、「嘴金目」、つまり口が大きいキンメダイという意味ではないかという説を唱えている[9][10]

高知では「オタフク」、「ヨロイウオ」の別称がある[7]。静岡県沼津市では本種を「ゴソ」、ヒウチダイ、マルヒウチダイを「アブラゴソ」と呼ぶ[9]。 

分布

青森県より南、茨城県から土佐湾にかけての太平洋沿岸、長崎県五島灘より南の東シナ海大陸棚縁辺から斜面上部、九州・パラオ海嶺天皇海山列台湾に分布する[2][3][4]

水深150から700メートルの海底に棲み[2]、夜間には浮上する[7]

特徴

ヒウチダイ科の魚ではもっとも大きくなり[3]、体長は20センチメートルを超える[4]。東シナ海で漁獲されるものは最大で35センチメートルほどになる[11]。ヒウチダイ科の魚には発光器をもつ種があるが、本種はもたない[3]

体は側扁し、頭が大きく、頭部表面は骨質隆起に富み、端に前向きの小棘がある[2]。前鰓蓋骨の隅角部に長くて強い棘がある[2]口腔腔内は黒色をしている[7]腹びれから肛門までの腹縁に強い棘を備えた鱗が連なっている[2]背びれの棘部と軟条部の間に欠刻がある[2]

体の背側は橙紅色で、腹部は淡く、ひれは紅色をしている[2]ははがれにくい[7]

利用

食用であり、底引網で漁獲される[2]定置網にかかることもある[7]。美味であるが水揚げ量は少なく、主に産地周辺で消費される[9]

脚注

  1. ^ a b Gephyroberyx japonicus (Döderlein, 1883)” (英語). WoRMS. 2025年5月7日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m 尼岡邦夫「ハシキンメ」『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館https://kotobank.jp/word/%E3%83%8F%E3%82%B7%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%83%A1コトバンクより2025年5月7日閲覧 
  3. ^ a b c d e 日本魚類館 2020, p. 178.
  4. ^ a b c d 日本の深海魚図鑑 2024, p. 91.
  5. ^ Family Trachichthyidae - Slimeheads” (英語). FishBase. 2025年5月7日閲覧。
  6. ^ a b 畑ほか 2018, p. 377.
  7. ^ a b c d e f 望月賢二 監修、魚類文化研究会 編『図説 魚と貝の事典』柏書房、2005年、 ISBN 4-7601-2657-0、305頁
  8. ^ 岡村収・尼岡邦夫 編・監修『山溪カラー名鑑 日本の海水魚』山と溪谷社、1997年、 ISBN 4-635-09027-2、156頁
  9. ^ a b c ハシキンメ”. ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑. 2025年5月7日閲覧。
  10. ^ 藤原昌高 (2024年7月14日). “ハシキンメはなぜハシキンメなのか?”. ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑. 2025年5月7日閲覧。
  11. ^ 畑ほか 2018, p. 380.

参考文献




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ハシキンメ」の関連用語

ハシキンメのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ハシキンメのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
長崎県水産部長崎県水産部
Copyright © Nagasaki Pref. Japan.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのハシキンメ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS