ニフティサーブ本と雑誌フォーラム事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 19:01 UTC 版)
「ニフティサーブ」の記事における「ニフティサーブ本と雑誌フォーラム事件」の解説
ニフティサーブの本と雑誌フォーラムの会議室とパティオ上で起った「論争」をめぐる事件である。裁判所が、対抗言論の法理を認めた判決として、注目された。 会員であった原告Xの主張によれば、別の会員AがXに対して、侮辱または名誉毀損にあたる違法な発言を繰り返し行っていたにもかかわらず、ニフティはそれらの発言を放置して違法な状態を黙認し、Xの求めにも関わらずAの住所氏名を公開しなかったとして、ニフティに対する損害賠償請求と、Aの住所氏名を開示するよう求めた訴訟である。この請求に対して、被告となったニフティは、会議室内での発言の一部分だけをことさらに取り上げて侮辱や名誉毀損と判断するのではなく、相手方の反論によって、やりとり全体やその流れを見たときに、単なる「言い争い」に過ぎない場合、名誉毀損や侮辱にはあたらず、不法行為にはならないと主張し、全面的に争った。 裁判所は、Aの発言がXに対して侮辱的であったことを認めながらも、Xによる反論がXの社会的評価の低下を阻止する効果をもたらしていることなどを理由に、Aの発言の違法性を否定し(対抗言論の法理)、Xの請求を全て退けた。 この事件に関する論評は、『メディア判例百選』(有斐閣ジュリスト別冊)などに収載されている。
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