ナノ回路への様々なアプローチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/05 08:37 UTC 版)
「ナノ回路」の記事における「ナノ回路への様々なアプローチ」の解説
ナノ回路を異なる形で実行するために様々な提案がなされてきた。例えば、ナノワイヤ、単一電子トランジスタ、量子ドットセルラーオートマタ、ナノスケールクロスバーラッチがある。しかし、近い将来MOSFETを改善するためのナノ材料の組み込むというアプローチも考えられる。これは現在ほとんどのアナログおよびデジタル回路の基礎をなしており、そのスケーリングはムーアの法則を駆り立てている。 MOSFET設計とその将来性をカバーするレビュー論文が2004年に発表され、その中でスケール縮小の下での異なる構造のMOSFETを比較し、円形断面垂直チャネルFETがスケール縮小のために最適なものであると指摘した。この形状はナノスケール直径の垂直半導体円筒チャネルを用いて高密度に実装することができ、インフィニオン・テクノロジーズとサムスンはこの方向で研究開発を始め、結果としてMOSFET設計にナノワイヤとカーボンナノチューブを用いる基本特許がいくつか出た。別のアプローチにおいては、Nanosysが溶液を基礎とする堆積およびアラインメントプロセスを用い、基板上に前もって製造されたナノワイヤのアレイをパターニングしてFETの横チャネルとして機能させる。単一ナノワイヤFETと同じスケーラビリティを実現することができない一方、チャネル用に前もって作製した複数のナノワイヤを用いることは、大容量印刷プロセスを使用して従来の製造過程よりも低い温度でナノワイヤを堆積できるため、製造コストを削減することができる。さらに低温で堆積させることから、電子ペーパー、折り曲げ可能なフラットパネルディスプレイ、広域太陽電池などのフレキシブル電子応用の扉を開くトランジスタ用のキャリア基板としてポリマーなどより広い範囲の材料を用いることができる。
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