ドニ=モンフォール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/01 21:01 UTC 版)
フランスのドニ=モンフォール(英語版)は、著述した『軟体動物の一般的・個別的博物誌 Histoire Naturelle Générale et Particulière des Mollusques』(1802年)のなかで、2種の巨大ダコがいるという認知をおこなっている。 このうち「コロッサル蛸」と称したのは、大プリニウスに引用される某地方官が著述した大ダコ(ジブラルタル湾岸の町カルテイアの魚泥棒のポリュプス、既述)と同一だとしており、同地方官によれば大ダコは海の難破者や素潜り漁師をも吸盤でバラバラに引き裂く(ラテン語: distrahit)、人殺しの怪物だと伝聞されている。モンフォールは、この 「コロッサル蛸」をいささか誇張し、三本マストの帆船を襲う巨大ダコの版画におさめて併記した。 もう一種、「クラーケン蛸」は、モンフォールによれば地球上最大の生物で、大プリニウスの怪物ダコなどをはるかに凌ぐ大きさなのだとした。そしてクラーケンは、 大プリニウスの「(海の)アルボル」、すなわち「アルボル・マリヌス」と同一だと脚注している。 脚注では、幾つか他の博物誌上例も、クラーケンと同一視できるとする。ひとつはドイツ人パウリーニ(英語版)が発表した「モンストルム・マリヌム(海の怪物)」で、論文では「海蟹」(ドイツ語: Seekrabbe)ともされるが、これはゲスナーが Cancer heracleoticus と称したカニ種(フィンランド沿岸にときお這い上がってくるという蟹)に似ていると説明されており、後年の海洋生物学者はヒキガニ属(英語版)だろうと特定した 。つぎにカール・アウグスト・フォン・ベルゲン(英語版)が「最大海獣」(bellua marina onium vastissima)だとした北欧俗名トロルワル(trolwal、「あやかし鯨」)・ドイツのトイフェルヴァル(Teufelwal、「デビル鯨」)が挙げられている。
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