ホラアナライオン
(ドウクツライオン から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/04 09:49 UTC 版)
ホラアナライオン | |||||||||||||||||||||||||||
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ホラアナライオンの全身骨格
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Panthera spelaea |

緑:ライオン(Panthera leo)
赤:ホラアナライオン(Panthera spelaea)
青:アメリカライオン(Panthera atrox)
ホラアナライオンまたはドウクツライオンまたはケーブライオン (Panthera spelaea) は、既に絶滅したネコ科の大型肉食動物。更新世に生息していた。現生種であるライオン Panthera leo の亜種[1] (Panthera leo spelaea) とされる場合もある[2]。
関連種
分布
スペイン以西のユーラシア大陸から北アメリカ大陸(アラスカ・ユーコン)にかけて分布していた[1]。
山口県から産出しているヨウシトラが本種に関連しているのならば、日本列島にも分布していたということになるが、山口県では他にもライオン(P. leo)の可能性がある化石も産出している[3]。
特徴と生態
現生のライオンよりやや大きく、たてがみや尾の先の毛は無かったであろうと言われており、クロマニヨン人などの壁画などにもそのような姿で描かれている。しかし、近縁であるヨーロッパホラアナライオンはたてがみを有する。洞窟内および広い草原で行動していたとされ[4]、乾燥し、比較的寒冷な環境を好んでいたようである。
またクロマニヨン人の壁画からは、現生のライオンの種と異なり群れではなく単独で生活していたことや、ウマ類を主な獲物にしていたことが示唆されている[5]。
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頭骨
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想像図
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現生のケープライオンとの比較
冷凍保存された個体の発見
2015年10月と2017年に、ロシア連邦のシベリアの永久凍土で、冷凍状態のホラアナライオンの子供が合計3頭発見された[4][6]。先史時代のネコ科動物が、このような良好な状態で発見されたことは例になく、ホラアナライオンおよびその他ネコ科動物に係る今後の研究の発展が期待されている。また、2018年にも北極シベリアの川の近くでホラアナライオンの子どもが見つかっている[7]。
脚注
- ^ a b 「ライオン進化の歴史を解明、絶滅種をゲノム解析で 絶滅したホラアナライオン、バーバリーライオンなど20頭を調査」『ナショナルジオグラフィック』日経BP、2020年5月9日。オリジナルの2020年10月16日時点におけるアーカイブ。2020年10月16日閲覧。
- ^ Joachim Burger (3 2004). “Molecular phylogeny of the extinct cave lion Panthera leo spelaea”. Molecular Phylogenetics and Evolution (Academic Press) 30 (3): 841–849. doi:10.1016/j.ympev.2003.07.020. PMID 15012963.
- ^ 長谷川善和、木村敏之、松岡廣繁、甲能直樹、川谷文子「下北半島尻屋崎地域産アカオオカミとタイリクオオカミ化石」(pdf)『群馬県立自然史博物館研究報告』第29巻、群馬県立自然史博物館、2025年3月14日、1-22頁。
- ^ a b 「シベリアで氷河期の絶滅ライオン見つかる 永久凍土から凍結状態で、保存状態はきわめて良好」『ナショナルジオグラフィック』日経BP、2015年11月2日。オリジナルの2020年10月16日時点におけるアーカイブ。2020年10月16日閲覧。
- ^ 今泉忠明、高橋文雄、松岡敬二、吉田彰、真鍋真『ニューワイド学研の図鑑 大昔の動物 増補改訂版』学習研究社、2008年3月6日、116頁。 ISBN 978-4-05-500426-8。
- ^ 「シベリアの凍土から1万年前の絶滅ライオン 日露チームが発見」『産経新聞』産業経済新聞社、2017年11月16日。オリジナルの2020年10月16日時点におけるアーカイブ。2020年10月16日閲覧。
- ^ 「1万年前のライオン?氷漬けで発見 シベリアの永久凍土」『朝日新聞デジタル』2019年6月3日。2019年6月3日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 川崎悟司イラスト集 - ドウクツライオン - ウェイバックマシン(2004年8月27日アーカイブ分)
固有名詞の分類
- ホラアナライオンのページへのリンク