トータライズ作戦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/03 23:47 UTC 版)
「ファレーズ・ポケット」の記事における「トータライズ作戦」の解説
イギリス軍アメリカ軍を攻撃して西へ向かおうとするドイツ軍の崩壊を早めるとともに、その脱出路を塞ぐために、ファレーズの町の北にある高地がカナダ第1軍の攻略目標となった。新設されたカナダ第1軍(司令官ハリー・クレラー(Harry Crerar))、カナダ第Ⅱ軍団(司令官ガイ・サイモンズ)らカナダ軍でトータライズ作戦(Operation Totalize)を決行することとなった。この作戦はまず、イギリス空軍重爆撃機による爆撃を行い、その後にカンガルー装甲兵員輸送車を使用した夜襲を行うことになっていた。 8月7日夜、イギリス空軍による激しい爆撃の後に作戦は発動し、76両のカンガルー装甲兵員輸送車に搭乗した先遣の歩兵連隊が先へ進んだ。14キロ先には第101SS重戦車大隊と第89歩兵師団の残存兵に支援された第12SS装甲師団「ヒトラーユーゲント」(師団長クルト・マイヤー)が防衛線を張っていたため、8月9日には連合軍の攻撃は鈍っていた。そのため、ドイツ軍の激しい抵抗の前に、攻撃力が弱く、また経験不足の第4カナダ師団とポーランド第1機甲師団は多大な犠牲を払うこととなった。8月10日、結局ファレーズの北の丘まで進撃はできたが、町を占領することはできなかった。翌日、交代の歩兵部隊が到着、満身創痍の師団は後方へ下がり、作戦は終了した。
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