トレラント・システムズ時代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/29 00:38 UTC 版)
「VERITAS」の記事における「トレラント・システムズ時代」の解説
トレラント・システムズ(Tolerant Systems)は、Eli Alon と Dale Shipely (共に元インテル従業員)が1983年に設立したフォールトトレラントシステム型コンピュータの製造会社。そのシステムは小さな機能ブロックを積み重ねて構築するというものだった。 トレラント社は当初ナショナル・セミコンダクタのNS32016マイクロプロセッサを使用していたが、完全な32ビットプロセッサであるNS32032が使用可能になるとそちらにアップグレードした。各機能ブロックにはOS用プロセッサとI/O用プロセッサ(共に320xx)が搭載されている。OS用プロセッサ上では TX と呼ばれるUNIX系OSが動作し、I/O用プロセッサ上ではトレラント独自のリアルタイムカーネルが動作していた。 各機能ブロックは2本のイーサネット接続口を持ち、他の機能ブロックと接続することでフォールトトレラントシステムを構築する。さらに独自のI/Oシステムも開発し、最大16台の周辺装置を接続可能(総延長50フィートまで)で、3Mバイト/s という高速なインターフェイスであった。トレラントはこのI/Oシステム向けにディスク・コントローラ、通信インターフェイスプロセッサ(CIP)、磁気テープコントローラなども独自開発した。 通信インターフェイスプロセッサ(CIP)もNS32016プロセッサをベースとしており、12または16個のシリアルポートを制御する。CIP上でソフトウェアを実行し、接続した端末群をインテリジェントに利用することが可能となっていた。 ソフトウェアはフォールトトレラント性を持たせるためにチェックポインティング技術を使用している。ハードウェアの故障時に別のプロセッサでアプリケーションをロールバックして実行するには、アプリケーション内にチェックポイントを埋め込んで強化する必要があった。 トレラントは今日のRAIDシステムの先駆けとなるジャーナルファイルシステムとディスクの内容の多重化を行うシステムも開発した。
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