トトのテーマ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 10:01 UTC 版)
「小さき勇者たち〜ガメラ〜」の記事における「トトのテーマ」の解説
本作では監督、脚本と並んで、音楽もこれまで怪獣映画に関わりのなかった上野洋子が担当した。 ゴジラなどの東宝特撮キャラクターには伊福部昭の作曲した印象的なモチーフがあるが、ガメラには、ガメラマーチを除いて、ガメラを象徴する音楽的なモチーフは存在しない。上野はマルチトラックレコーダを用いたエスニック風のボーカル一人多重録音、管弦楽、シンセサイザー、マンドリン等を用いて、大谷幸による前シリーズとはまた違ったイメージで新しいガメラ像の構築に貢献した。 ヴォカリーゼとアコースティック楽器を多用しているのが特徴で、下記の「トトのテーマ」による全編の統一だけではなく、アヴァンガメラの死闘の際に女性ヴォーカルを主体にした音楽を用い、これも怪獣映画としては新鮮な劇伴となった。「基本的に映画音楽にはヴォーカルを入れにくいが、怪獣は台詞を喋らないから大丈夫だった」と語っている。 伊福部と同様に、上野は怪獣や戦闘を表すライトモチーフを用いている。 特に、トトが誕生する場面でキーボードに現れる g-d-e-B-d-c-G で始まる音形は以後全編を通じて固定主題的に用いられ、上野はこれを「トトのテーマ」と呼んだ。例えば、かわいらしいトトが描写されている場面ではおどけたファゴットで、回転ジェットを噴射し空を舞う場面では颯爽とした弦楽合奏で演奏される他、トトが苦戦する場面でも低音部に現れ、全編に統一感をもたらしている。
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