デンデラの電球
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/30 16:31 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動デンデラの電球はエジプト、デンデラのハトホル神殿にある石造りのレリーフとして彫られたモチーフ。これは現代的な電気照明装置に見た目が似ている。境界科学による仮説はデンデラの電球が古代エジプト人が持つ高度な電気技術を描いていると示唆している。しかし、主流のエジプト学者はエジプト神話からの象徴的なイメージの典型的なものを表しているとみなしている。これはそれぞれ安定と多産の象徴であるジェド柱と中にヘビを孕むハスの花を描いている。
主流の解釈
エジプト学者の見解は、このレリーフはジェド柱と中にヘビを孕む蓮の花(Nymphaea caerulea)でエジプト神話の様相を表現した描写である[1][2]。ジェド柱は安定性の象徴であり、オシリス神の背骨としても解釈される。ジェドの柱頭を形成している4つの平らな筋は、あたかもジェドが背骨であるかのようであり、伸びている人の腕により補助されている。この腕は蓮の花の中でヘビを抱いており、蓮の中のヘビは毎年のナイル川で起きる洪水に関連する肥沃さを象徴している[2]。
境界科学の解釈
主流の解釈とは対照的に、境界科学による仮説では、現代の同様の機器(ガイスラー管、クルックス管、アーク灯)との比較に基づきこのレリーフが古代エジプトの電気技術を描いていると提案している[3][4]。電気ランプが墓の中に油煙の堆積物がないことを説明するという同僚のおかしな提案に対するJ・N・ロッキャーの一通りの言及はときどきこの特異な解釈を支持する議論として進められてきた(もう1つされていた議論は反射鏡システムの使ったというものである)[5]。この解釈の支持者はこれを論ずるために「銅板で覆われたハイポール」に言及したテキストも使用しているが[6]、Bolko Sternは堂で覆われたポールの頭(関連する鉄塔より低い)が電気や光に関係しない理由を詳細に説明し、エジプトでは電気を操るために使われた証拠は何も見つかっておらず、これは神秘的なものであり技術的な設備ではないことを指摘している[7]。
関連項目
脚注
- ^ Wolfgang Waitkus, Die Texte in den unteren Krypten des Hathortempels von Dendera: ihre Aussagen zur Funktion und Bedeutung dieser Räume, Mainz 1997
- ^ a b "Dendera Temple Crypt". iafrica.com.
- ^ Childress, D. H. (2000). Technology of the gods: the incredible sciences of the ancients. Kempton, Ill: Adventures Unlimited Press. ISBN 0932813739
- ^ Electricity in ancient times. WUFOC and NÄRKONTAKT.
- ^ Lockyer, J. Norman (1998) [1894]. The Dawn of Astronomy. Kessinger Publishing. pp. 180–1. ISBN 1564591123
- ^ Bruno Kolbe, Francis ed Legge, Joseph Skellon, tr., "An Introduction to Electricity". Kegan Paul, Trench, Trübner, 1908. 429 pages. Page 391. (cf., "[...] high poles covered with copper plates and with gilded tops were erected 'to break the stones coming from on high'. J. Dümichen, Baugeschichte des Dendera-Tempels, Strassburg, 1877")
- ^ Stern, Bolko (1998) [1896]. Ägyptische Kulturgeschichte. Reprint-Verlag-Leipzig. pp. 106–108. ISBN 978-3826219085
外部リンク
- The Dendera Reliefs, Catchpenny Mysteries.
- Frank Dörnenburg, Electric lights in Egypt?. 2004. (ed. An analysis of how the Egyptians didn't have electricity).
デンデラの電球
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/19 19:50 UTC 版)
「デンデラ神殿複合体」の記事における「デンデラの電球」の解説
詳細は「デンデラの電球」を参照 ハトホル神殿にあるレリーフは、デンデラの電球(英: Dendera light)として知られ、そのおよそ自然的要素から外れた命題のため、時に論争の的になる。エジプトのデンデラ神殿複合体のハトホル神殿にあるデンデラの電球の形象は、5つの石のレリーフから成る(一対の「電球」を含むものは2つ)。エジプト学者の見解では、レリーフは神話の描写であり、ジェド柱 (Djed pillar) と、ヘビを内側に産むハスの花のエジプト神話の様相を表しているという。 ジェド柱は、オシリス神の背骨としても解される安定の象徴である。彫刻においては、ジェド柱頂部を形成する4本の平らな筋が、あたかもジェドが背骨であるかのようであり、腕を伸ばした人間によって補助されている。ハスの花の内側にいるヘビを、腕が支える。 この解釈とは対照的に、それは実際に古代のエジプトの電球の描写であると主張する、 エジプト学者の見解から著しく外れる境界科学(非主流科学、フリンジ・サイエンス)の提言がある。その仮説では、よく似た現代の装置(例えばガイスラー管、クルックス管およびアーク灯〈Arc lamp〉など)との比較に基づき、それらのレリーフは古代エジプトの電気技術を描写したものする。
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