デリバティブ(でりばてぃぶ)
株式、債券、為替、金などの現物価格に連動して価格が決まる商品のこと。金融商品から派生することから、金融派生商品と呼ぶこともある。
デリバティブ取引の代表的なものは、銀行や証券会社が顧客と個別に売買を行うオプションやスワップである。オプションとは、あらかじめ定められた期間内に、予定価格で金融商品の売買を選択する権利の取引のことをいう。
デリバティブは、金融商品の価格変動リスクを回避あるいは低下させる目的で開発されている。例えば、輸出に依存する日本企業にとって、円高は為替リスクとなって経営に悪い影響を与える。そこで、円高がある水準を越えれば補償金を支払うという内容のデリバティブがあると、円高の影響を最小限に食い止めることができる。
確率的に発生するリスクをうまく分散させるデリバティブは、企業経営の手法として利用価値が高い。デリバティブ商品は、リスク回避の目的だけでなく、投機的な目的で取引されることもある。
最近では、気候変動を対象にしたデリバティブ商品も開発されている。三井住友海上火災保険の天候デリバティブは、梅雨どきの不快指数が80以下の日数が54日を上回る場合、最大で補償金として1400万円を受け取ることができるという。カラ梅雨や冷夏で売り上げに影響するリスクを回避するのが狙いだ。
(2002.02.05更新)
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