デジタル対応/デジタル専用レンズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/29 01:47 UTC 版)
「写真レンズ」の記事における「デジタル対応/デジタル専用レンズ」の解説
通常の写真用フィルムに比べて、デジタルカメラのイメージセンサーは斜めから入ってくる光を捉える性能が低いといわれている。このため、特に広角レンズなどでフィルムカメラ用に設計されたレンズでは、周辺部が暗くなる(周辺光量の低下が目立つ)ケースが多い。他にも、斜めに入射する光がデジタルカメラ特有の画質劣化の原因となるといわれている。このため、デジタルカメラ対応を謳う設計の新しいレンズにおいては、できるだけイメージセンサーに対する入射角が垂直に近くなるような設計(このようなレンズをテレセントリック光学系とよぶ)が行われる。また、イメージセンサーの表面やローパスフィルターなどが光を全反射するため、レンズとイメージセンサーとの間で発生する光の反射が写りに悪影響をもたらす場合がある。これらを改善するためにレンズのコーティングや光学系を見直し、よりデジタルカメラに適した設計を行ったレンズをデジタル対応レンズと呼ぶことがある。 さらに、小型イメージセンサーを持つ機種は、従来のフィルムカメラよりも小さなイメージサークルで対応できるので、イメージサークルを小さく設計したレンズも作られている。このようなレンズはデジタル専用レンズと呼ばれる。 フィルム写真が主であった時代には多くの消費者は小判のプリントで鑑賞するだけであったが、デジタル時代になりディスプレイ上でのピクセル等倍での観賞が容易に行われるようになり、一般消費者による写真レンズの評価基準も等倍観賞を前提とする厳しいものとなった。このため、デジタル対応レンズでは精度向上や各収差の低減がより志向されるようになった。
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