チュドー=ユドー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 15:14 UTC 版)
チュドー=ユドー(ロシア語版)(чудо-юдо、複数形чуда-юда)も、やはり多頭の竜で、ロシア民話の異本などに登場する。チュドー=ユドーは、水棲の竜であり、異なる個体は異なる数の頭を持っていた。人間のように馬にまたがるという描写もされる。ただし、ある解説によれば、チュドー=ユドーとは特別な種類の竜の名称などではなく、単に「怪物」を意味する「チュドーヴィシチェ」(чудовище)と同じとみなすべきで、「ユドー」という語尾は、ただ脚韻を踏むためのみに追加された語根だという。 アファナーシェフの昔話集の「灰かぶりのイワン」では、主人公が3頭と6頭のズメイ、およびその妻と娘たちを倒すが、その類話部分をもつ第137話「牛の子イワン」では、6頭、9頭、12頭のチュドー=ユドーを倒す(これがズメイであると原文には明記されないが、ドラゴンの一種であるとの解説されている)。 昔話「雌牛の息子〈嵐の勇士〉イワン(英語版)」では、チュドー=ユドーはズメイ竜であると明言されており、嵐の勇士は、黒海から出現する6頭、9頭、12頭のチュドー=ユドーと対峙する。このとき嵐の勇士は魔法剣(クラデニェッツ剣)を携えてはいるが、竜を攻撃する武器として使用するのは棍棒(メイス)である。 チュドー=ユドーは、例え斬首されても非常に回復力が強く、頭部を元の場所に戻して火炎の指でなぞれば元通りにつながることが一編の昔話に描かれており、その治癒能力は頭部が再生するギリシア神話のヒュドラーを彷彿とさせる。
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