チベット高原の隆起
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 15:02 UTC 版)
ドイツの地理学者マティアス・クーレ(英語版)の氷河時代の発達に関する地質学的理論は、氷河時代(最終氷期最盛期)中のチベット高原を覆う氷床の存在によって示されていた。クーレによると、プレートテクトニクスにより隆起して雪線を越えたチベットは、約240万km2の表面が裸地から70%を超えるアルベドを有する氷の高原へと変化した。宇宙へのエネルギーの反射は地球寒冷化の原因となり、更新世の氷河時代の引き金となった。チベット高原は亜熱帯の緯度に位置しているため、高緯度地域の4倍から5倍ほどの日射量がある。地球上で最も強い加熱面だったであろう表面が冷却面に変わったといえる。 クーレは地球の軌道の変化による10万年単位の放射サイクルの変化によって間氷期を説明する。この比較的軽微な温暖化は、上積氷の荷重による北欧の内陸の氷域とチベットの高度の低下と相まって、度々内陸の氷域の氷を完全に解かした。
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