ダビデの時代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/13 09:53 UTC 版)
サウルが王国建設途上で挫折した後を継いだダビデは、ペリシテ人を撃破するなど軍事遠征を成功させ、近隣王国と友好同盟を結び、イスラエルをその地方の強カな勢力に作り上げた。その結果、ダビデの権力はエジプトや紅海の境界からユーフラテスの川岸にまで広がっていった。つまり、北はダマスカスから南はアカバ湾にいたる地域を確保し、エルサレムを王都に定めてイスラエル王国の礎を築いた。 国内でもダビデは新しい統治を始めた。イスラエルを構成する12部族を1つの王国に統一し、エルサレムと君主政治を民族の支柱においた。聖書の言い伝えでは、ダビデには多彩な才能が備わっていたようである。彼の詩の才能、音楽の才能などは、「ダビデの作」と言われている詩篇の中にうかがうことができる。 また、当時の国際情勢としては、前1200年のカタストロフの影響によって当時の大国であったヒッタイトが滅亡、エジプトおよびアッシリア、バビロニアが揃って衰退期を迎えていた。これらの大国に囲まれる位置にあった歴史的シリア (レヴァント) の地域には、大国の同時衰退によって権力の空白地帯が生じたため、大国の干渉を受けることなく多数のアラム人などの小国が誕生した。イスラエル王国もそのような状況下で誕生した新興国の一つである。
※この「ダビデの時代」の解説は、「イスラエル王国」の解説の一部です。
「ダビデの時代」を含む「イスラエル王国」の記事については、「イスラエル王国」の概要を参照ください。
- ダビデの時代のページへのリンク