ソメワケベラとは? わかりやすく解説

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染分倍良

読み方:ソメワケベラ(somewakebera)

ベラ科海水魚

学名 Labroides bicolor


ソメワケベラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/05 00:10 UTC 版)

ソメワケベラ
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
亜目 : ベラ亜目 Labroidei
: ベラ科 Labridae
: ソメワケベラ属 Labroides
: ソメワケベラ L. bicolor
学名
Labroides bicolor
Fowler & B.A. Bean, 1928
シノニム[2]
  • Fowlerella bicolor (Fowler & B.A. Bean, 1928)
英名
bicolor cleanerfish
two-color cleaner wrasse
yellow diesel wrasse

ソメワケベラ(学名:Labroides bicolor)は、ベラ科に分類される魚類の1種。インド太平洋岩礁サンゴ礁に生息し、他の魚の体表を掃除する掃除魚である。体色は青色と黄色の二色に分けられており、同属のホンソメワケベラと比べ、体高が高い。

分類と名称

1928年にアメリカ魚類学者であるヘンリー・ウィード・ファウラーBarton Appler Beanによって、フィリピンバタンガス州タイプ産地として記載された[3]。種小名は「二色」という意味で、対照的な二色の色彩を示している[4]

分布と生息地

東アフリカおよびインド洋の島々から、南太平洋のフランス領ポリネシアまで、北は南日本から東南アジアを経て、オーストラリア北西部のグレートバリアリーフおよびロード・ハウ島まで、インド太平洋熱帯および亜熱帯海域に広く分布する[1]。日本では主に和歌山県以南の南日本太平洋岸、伊豆・小笠原諸島南西諸島に分布する[5]

浅い礁原から深いラグーン、外洋側の礁など、水深40m以浅のサンゴが豊富な海域に生息する[1]。幼魚は海底洞窟内で見られる[2]

形態

全長は最大15cm。体は細長く、側扁している。背鰭は9棘と10-11軟条、臀鰭は3棘と9-10軟条から成る[2]。吻は長く、尾鰭は截形[5]。雄は頭部が濃い青色、体の中央部は黒色、後方は黄色であり、尾鰭後縁は黒色である。雌は灰色で、黒い縦縞が入る。幼体は黒色で、黄色の縞模様が入る[6][7]

生態と行動

雌性先熟雌雄同体だが、双方向性転換を行う可能性もある[1]。繁殖形態は卵生[2]。クリーニングを行う範囲は広く、日中に頻度が多い。単独や群れでクリーニングを行い、魚の粘液や、ウミクワガタ科などの外部寄生虫を食べる。サザナミハギ、ナガニザブダイ科ホンソメワケベラなど、さまざまな種のクリーニングを行う[8]オグロメジロザメネムリブカなど、板鰓類のクリーニングも行う[9]。夜間は粘液の繭の中で眠ることがある[1]。他の掃除魚と同様に、掃除する対象の魚からの捕食を避けるため、踊るような動きをする[10]

脅威と保全

国際自然保護連合レッドリストでは低危険種に指定されており、飼育目的で捕獲されているものの、絶滅の危機には瀕していないと考えられる。生息域の一部ではサンゴの劣化が見られる可能性がある。複数の保護区に生息しているが、持続可能な漁獲と取引、採集の影響に関する研究が必要である[1]

出典

  1. ^ a b c d e f Pollard, D.; Yusuf, Y.; Hilomen, V.; Pontillas, J. (2010). Labroides bicolor. IUCN Red List of Threatened Species 2010: e.T187767A8625392. doi:10.2305/IUCN.UK.2010-4.RLTS.T187767A8625392.en. https://www.iucnredlist.org/species/187767/8625392 2025年5月3日閲覧。. 
  2. ^ a b c d Froese, Rainer and Pauly, Daniel, eds. (2019). "Labroides bicolor" in FishBase. August 2019 version.
  3. ^ CAS - Eschmeyer's Catalog of Fishes Labroides”. researcharchive.calacademy.org. 2025年5月4日閲覧。
  4. ^ Order LABRIFORMES (part 2): Family LABRIDAE (i-x)”. The ETYFish Project Fish Name Etymology Database. Christopher Scharpf (2025年1月27日). 2025年5月4日閲覧。
  5. ^ a b 片山英里 著「ソメワケベラ」、本村浩之、出羽慎一; 古田和彦 ほか 編『硫黄島と竹島の魚類 : 鹿児島県三島村』鹿児島大学総合研究博物館、2013年、264頁。ISBN 978-4-905464-02-0https://www.museum.kagoshima-u.ac.jp/staff/motomura/Ioujima_low_res.pdf2025年5月4日閲覧 
  6. ^ Phillip C. Heemstra, Elaine Heemstra (2004). Coastal Fishes of Southern Africa. NISC. p. 347. ISBN 1920033017. https://books.google.com/books?id=e4H1uWszXOQC&q=Labroides+bicolor&pg=PA347 2015年6月7日閲覧。 
  7. ^ David L. Pearson, Les Beletsky (2008). Thailand. Interlink Publishing. p. 196. ISBN 978-1566566940. https://books.google.com/books?id=yEdQ67jZrFUC&q=Labroides+bicolor&pg=PA196-IA32 2015年6月7日閲覧。 
  8. ^ Issues in Global Environment—Biodiversity, Resources, and Conservation: 2013 Edition. ScholarlyEditions. (2013). p. 699. ISBN 978-1490109633. https://books.google.com/books?id=hUKvK6EqYFQC&q=Labroides+bicolor&pg=PA699 2015年6月7日閲覧。 
  9. ^ Michael, Scott W. (2005). Reef Sharks and Rays of the World. ProStar Publications. p. 10. ISBN 1577855388. https://books.google.com/books?id=lupBTlvwI14C&q=Labroides+bicolor&pg=PA10 2015年6月7日閲覧。 
  10. ^ Rohde, Klaus (2005). Marine Parasitology. CSIRO Publishing. ISBN 0643099271. https://books.google.com/books?id=ktTOf3l66QQC&q=Labroides+bicolor&pg=PT243 2015年6月7日閲覧。 

関連項目



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