スブチラーゼ毒素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/19 16:08 UTC 版)
詳細は「スブチラーゼ(英語版)」および「細胞毒性」を参照 このファミリーはSubABとしても知られており、1990年代に発見された。LEE(英語版)遺伝子領域を持たないSTEC株で産生され、溶血性尿毒症症候群を引き起こすことが知られている。スブチラーゼ毒素と呼ばれるのは、Aサブユニットの配列が炭疽菌Bacillus anthracisのスブチラーゼ様セリンプロテアーゼの配列と類似しているためである。この毒素によって引き起こされる症状には、血小板減少症(英語版)(血液中の血小板数の減少)、白血球数増加症(英語版)(白血球数の増加)、腎細胞の損傷がある。 スブチラーゼ毒素Aサブユニット(subA、Q6EZC2)はBiP(binding immunoglobulin protein)を切断することが知られているプロテアーゼであり、小胞体ストレスと細胞死をもたらす。Bサブユニット(subB、Q6EZC3)は細胞表面のN-グリコリルノイラミン酸(英語版)(Neu5Gc)糖鎖に高い親和性で結合する。ベロ細胞の空胞化を引き起こすにはsubBだけで十分である。Neu5Gcはヒトでは産生されないが、赤肉や乳製品などの食品から獲得され、高い頻度でヒトの消化管壁に対するSTECの感染源となる。
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