Aサブユニット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/19 16:08 UTC 版)
AB5毒素のAサブユニットは特異的な標的に対する触媒を担う部分である。志賀毒素ファミリーでは、Aサブユニットにはトリプシン感受性領域が存在し、切断されて2つの断片化されたドメインとなる。こうした領域は他のAB5毒素ファミリーでは未だ確認されていない。一般的に、Aサブユニットの2つのドメインはA1、A2と呼ばれ、ジスルフィド結合によって連結されている。ドメインA1(コレラ毒素や易熱性エンテロトキシンでは約22 kDa)は毒素の毒性を担う部分である。ドメインA2(コレラ毒素や易熱性エンテロトキシンでは約5 kDa)はBサブユニット中心部のポアとの非共有結合的な連結を担う。コレラ毒素のA1鎖は、ADPリボシル化因子(英語版)を利用してニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)からアルギニンや他のグアニジン化合物へのADPリボースの転移を触媒する。アルギニンや単純なグアニジン化合物が存在しない場合には、水分子を求核剤として毒素によるNAD+ヌクレオシダーゼ活性が進行する。
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