スピーカーの配置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 14:14 UTC 版)
基本となるのは5.1chであり、元となるDVDのソフトに含まれている信号は5.1ch分である(ただし6.1chのドルビーデジタルサラウンドEX、7.1chのドルビーデジタルプラスといった上位互換性のある方式も存在する)。 5.1chの基本システムは以下の通り。 通常のステレオスピーカーと同様に、聴く人の位置(リスニングポジション)より前方の左右30°にフロントスピーカーを配置する。 フロントスピーカーの中央(聴く人から正面の位置)にセンタースピーカーを配置する。これによって映画のセリフなどがより鮮明に再生される場合が多い。 センタースピーカーより110°方向(聴く人の位置の真横より20°後方)にリアスピーカー(あるいはサラウンドスピーカーとも呼ばれる)を左右に2つ配置する。後方から聞こえる音を再現するほか、音の反響などが表現できるようになるため臨場感が格段に増す。 これに低音域専用のサブウーファーを加える。超低音域専用なので、これを「.1ch」と数える。 なお、「.1ch」が低音を担うといっても、これはソフト制作者側が意図して付加した低音である。残り5chにおいても低音成分は含まれている。したがってフロント・センター・リアが十分な低音再生能力を持っている場合は、それぞれのチャンネルの低音はそれぞれのスピーカーで再生する。ただし実際の環境においては5ch分(特にリア)は小型スピーカーを用いる例が多いため、それぞれのチャンネルの低音もサブウーファーに振り替えて再生する場合が多い。 これらをベースに仮想サラウンド技術を利用してスピーカーを減らしたり、より臨場感の高い音響を再生するためスピーカーを増やしたりする。以下に現在主に利用されている例を記す。 2.1〜4.1ch - フロントスピーカーとサブウーファーは必須とし、センターやリア左右を省略する(あるいはリアを中央1本だけにする)。 6.1ch - リアスピーカーを前方と同じように3本にしたもの。後方中央のスピーカーはサラウンドバック、またはリアセンターなどと呼ばれる。ドルビーデジタルサラウンドEXの場合はこれが標準であるが、従来のドルビーデジタル方式のソフトを再生する場合であってもAVアンプの側の処理で擬似的に6.1chとする。 7.1ch - サラウンドスピーカーを左右それぞれ横・後方の計4chにする。ドルビーデジタルプラスではこれが標準となる。 8.1ch・9.1ch・9.2chなども存在するが、元となる信号としては現在は7.1chが上限である。それを超えるものは各オーディオメーカーが独自に拡張したものであるため、配置方法はまちまちである。
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