スコッチ・ウイスキーの種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/09 12:36 UTC 版)
「スコッチ・ウイスキー」の記事における「スコッチ・ウイスキーの種類」の解説
スコッチ・ウイスキーはまず、モルトウイスキーとグレーンウイスキーに分かれる。両者の違いには以下のような点がある。 名称原料蒸留方法モルトウイスキー 大麦麦芽 単式蒸留器を使用。2回行うのが一般的。 グレーンウイスキー トウモロコシと大麦麦芽を5:1の割合で配合 連続式蒸留機を使用して連続的に行う モルトウイスキーは「ラウドスピリッツ(主張する酒)」、「個性的で風味の豊かな」と評され、グレーンウイスキーは「サイレントスピリッツ(沈黙の酒)」、「風味に乏しく没個性的で、それを単体で飲むには不向き」と評される。両者を混ぜて作られるのがブレンデッドウイスキーで、「適度な力強さと穏やかさを兼備」していると評される。モルトウイスキー65%に対しグレーンウイスキー35%がブレンドの目安(クラシックブレンド)とされる。ウイスキーのブレンドはブレンダーと呼ばれる専門家が担当し、1つのブレンデッドウイスキーを作るために数十種類のモルトウイスキーと数種類のグレーンウイスキーが混合される。 モルトウイスキーは製造工程の違いにより、シングルカスク、シングルモルト、ブレンデッドモルト(ヴァッテッドモルト)に分類される。2009年スコッチ・ウイスキー規則により、ヴァッテッドモルトと表記することは禁止された。 シングルカスクは1つの樽で熟成されたモルトウイスキーのみを瓶詰めしたもの、シングルモルトは1つの蒸留所で作られたモルトウイスキーを瓶詰めしたもの、ブレンデッドモルトは複数の蒸留所で作られたモルトウイスキーを混合して瓶詰めしたものである。 ピュアモルトという言葉があるが、これはブレンデッドウイスキーとの違いを示すために「モルトウイスキーのみを瓶詰めした」という意味で用いられる。シングルモルトとヴァッテッドモルトに使われるが、土屋守によると「スコットランドの場合、ピュアモルトといえば、まず99%シングルモルトのことを指すと思っていい」。2009年スコッチ・ウイスキー規則により、スコッチ・ウイスキーのラベルにピュアモルトと表記することは禁止されている。 モルトウイスキーと同様、グレーンウイスキーにもシングルグレーンとヴァッテッドグレーンとがある。ただし個性の乏しいグレーンウイスキーについて製造した蒸留所の名前を強調したり混合したりすることに意味はないと考えられており、流通量は非常に少ない。 なお、ブレンデッドおよびヴァッテッドの熟成年数の表示については、混合するウイスキーの中で最も熟成期間が短いものの年数を表示しなければならない。
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