シロイボカサタケとは? わかりやすく解説

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シロイボカサタケ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/14 01:05 UTC 版)

シロイボカサタケ
分類
: 菌界 Fungi
: 担子菌門 Basidiomycota
亜門 : ハラタケ亜門 Agaricomycotina
: ハラタケ綱 Agaricomycetes
亜綱 : ハラタケ亜綱 Agaricomycetidae
: ハラタケ目 Agaricales
: イッポンシメジ科 Rhodophyllaceae
: イッポンシメジ属 Entoloma
: シロイボカサタケ E. album
学名
Entoloma album Hiroë (1939)[1][2]
シノニム
和名
シロイボカサタケ

シロイボカサタケ(白疣傘茸[4]学名: Entoloma album)は、イッポンシメジ科イッポンシメジ属の小型から中型のキノコ菌類)。キノコ全体が白色で、傘の中央にイボ状の小突起があるのが特徴。

シロイボカサタケはキイボカサタケ変種または亜種だとも言われており、同一種とされている文献もみられる。

分布・生態

日本各地、韓国北アメリカなどに分布する[2][3]

腐生菌(腐生性)[4]。初夏(梅雨)から晩秋にかけて、おもに広葉樹林雑木林などの地上に発生する[4][3]。時折、近縁種であるキイボカサタケの近くに生えている様子も見ることができる。

形態

子実体からなり、全体が白色から黄白色で傘の放射状の筋が目立つ[4]。傘の中央には、名前の由来となっているイボ状の突起があるが落ちやすい[4]。傘は径1 - 6センチメートル (cm) 、円錐状または[3]。傘表面は類白色から黄白色で、鱗片はなく、湿っていると条線を現す[3]。傘裏のヒダは疎らで柄に対して直生から上生し[5]、はじめ白色、のちに薄いピンク色(肉色)で、これはイッポンシメジ科にみられる共通点となっている[4][3]は薄く、無味無臭とされるが[3]、このキノコからは不快な臭いが出ているともいわれる[4]

柄は中空、長さ3 - 10 cmで、柄の表面は繊維状の縦縞模様を呈し、しばしば捻れる[3][5]。柄の根元には綿毛状の菌糸がある[5]。担子胞子は径9 - 12マイクロメートル (μm) の類四角形や六面体で、無色で平滑、非アミロイド[3]胞子紋は帯桃色[3]

食・毒

このキノコは図鑑により毒の有無が分かれており、食毒不明とする資料や[2]、有毒とする資料がある[3][5]

シロイボカサタケからは、ムスカリンが検出されているので、発汗流涎縮瞳徐脈など神経系中毒症状が現れるとされる[5]

類似種

キイボカサタケEntoloma murrayi)はシロイボカサタケと外形もよくにて同形同大であるが、全体が黄色を呈するので区別がつく[2][3]アカイボカサタケAgaricus quadratus)も同様で、全体に鮭肉色をしている。キイボタケとアカイボタケは、日本では毒性は不明とされるが、北アメリカでは有毒視されている[2]。シロイボタケ、キイボタケ、アカイボタケの3種は、いずれも似た環境に生育し、ときに混じって生えていることもある[2]

脚注

  1. ^ a b Entoloma album”. MYCOBANK Database. 国際菌学協会 (IMA) とウェスターダイク菌類生物多様性研究所. 2025年4月9日閲覧。
  2. ^ a b c d e f 今関六也・大谷吉雄・本郷次雄 編著 2011, p. 279
  3. ^ a b c d e f g h i j k l 前川二太郎 編著 2021, p. 247.
  4. ^ a b c d e f g 秋山弘之 2024, p. 81.
  5. ^ a b c d e 長沢栄史 監修 2009, p. 161.

参考文献

  • 『朝日百科 キノコの世界』 著者:本郷次雄ほか 出版:朝日新聞社 ISBN 4023800112
  • 『カラー版 きのこ図鑑』 著者:幼菌の会 出版:社団法人家の光協会 ISBN 4259539671
  • 『原色日本菌類図鑑』 著者:今関六也、本郷次雄 出版:保育社 ISBN 458630023X

関連項目

外部リンク





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