シロイチモジヨトウとは? わかりやすく解説

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白一文字夜盗蛾

読み方:シロイチモジヨトウ(shiroichimojiyotou)

ヤガ科昆虫

学名 Laphygma exigua


シロイチモジヨトウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/30 16:16 UTC 版)

シロイチモジヨトウ
成虫
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: チョウ目 Lepidoptera
: ヤガ科 Noctuidae
亜科 : キリガ亜科 Xyleninae
: スポドプテラ属 Spodoptera
: シロイチモジヨトウ s. exigua
学名
Spodoptera exigua
(Hübner, 1808)
和名
シロイチモジヨトウ(白一文字夜盗)
英名
Beet armyworm
幼虫

シロイチモジヨトウSpodoptera exigua[1]: Beet armyworm[2])は、チョウ目ヤガ科キリガ亜科スジキリヨトウ族に属する昆虫[1]。熱帯域から温帯域に生息する広食性の農業害虫である[2]

分布

東アジア東南アジアヨーロッパアフリカ北アメリカなどに分布する[1]。英名のBeet armywormの通り、世界的にはテンサイワタに被害を及ぼす長距離移動性の重要害虫として位置づけられている[1][2]

日本では1983年(昭和58年)頃から鹿児島県高知県のネギ産地を中心に発生が問題化し、1990年(平成2年)には27府県にまで被害が広がった[1]。その後、新しい殺虫剤が市場に登場し、合成性フェロモン剤を利用した交信かく乱法や黄色防蛾灯等の普及により全国的な多発生は落ち着いていた[1]。しかし、2016年(平成28年)から再び西日本を中心に多発生が報告されるようになった[1]

形態

成虫

成虫は体長約12mm[2][3]、翅開張は30mm前後[2][3]。前翅は灰褐色で黄褐色の環状紋(円形小斑紋)が2対ある[2][3]。後翅は白く半透明[2]。昼間は葉裏や雑草地に潜んでおり、夜間に活動し、長距離移動する[2][3]

雌は葉裏に数十から数百粒の卵塊を数回に分けて産卵し、1頭当たり平均で1,000粒産卵する[2][3]。卵塊は黄白色~灰白色の鱗毛で被われる[2][3]

幼虫

体色は若齢期には淡緑色だが、中齢以降になると淡緑色、緑褐色、暗褐色と著しく変化する[2][3]。胴部側面に白線があり(シロイチモジの名の由来[4])、気門周辺にピンク色の斑紋がある[2]

5齢を経てから土中でとなり、25℃の環境では約9日で羽化する[2][3]

寄主植物

広食性で寄生植物は26科64種が知られている[2]。野菜類ではマメ科アブラナ科ウリ科ナス科キク科ユリ科アオイ科シソ科セリ科アカザ科ヤマノイモ科イチゴスイートコーン等を加害する[2]。また、花き類ではカーネーションガーベラキクグラジオラススターチストルコギキョウ、宿根カスミソウ、ケイトウ等を加害する[2]

被害

葉、花蕾花弁果実を食害する[2]。隙間に潜り込んだり、葉を綴り合せて内部から食害する習性があり、薬剤防除を難しくしている[2]

出典

  1. ^ a b c d e f g 太田泉、河野勝行「近年のシロイチモジヨトウの発生状況と薬剤感受性」『植物防疫』第36巻、日本植物防疫協会、2019年、42頁。 
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 防除室だより vol.20 シロイチモジヨトウ”. 石川県農林総合研究センター農業試験場 病害虫防除室. 2025年8月30日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h シロイチモジヨトウ 生態と防除対策”. 大阪府環境農林水産部農政室推進課病害虫防除グループ. 2025年8月30日閲覧。
  4. ^ シロイチモジヨトウ防除における化学農薬使用回数の削減マニュアル”. 京都府農林水産技術センター農林センター. 2025年8月30日閲覧。

関連項目



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