シエナの聖ベルナルディーノ_(エル・グレコ)とは? わかりやすく解説

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シエナの聖ベルナルディーノ (エル・グレコ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/15 23:54 UTC 版)

 

『シエナの聖ベルナルディーノ』
スペイン語: San Bernardino
英語: Saint Bernardino of Siena
作者 エル・グレコ
製作年 1603年
種類 キャンバス上に油彩
寸法 269 cm × 144 cm (106 in × 57 in)
所蔵 エル・グレコ美術館英語版トレド

シエナの聖ベルナルディーノ』は、(西: San Bernardino: Saint Bernardino of Siena)は、クレタ島出身で主にマニエリスム期のスペインで活動した画家エル・グレコが1603年にキャンバス上に油彩で制作した絵画である。元来、トレドのサン・ベルナルディーノ学院 (Colegio de San Bernardino) の高祭壇ために委嘱され[1][2]、画家は1603年2月に3,000レアルの報酬を受け取った。作品は1902年にスペイン政府がマドリードプラド美術館のために購入して以来[1]、同美術館の所蔵品となっている[1]が、現在、トレドのエル・グレコ美術館英語版に展示されている[1][2][3]

作品

エル・グレコ『聖ペテロ』、1608年、エル・エスコリアル修道院、マドリード近郊

エル・グレコは、晩年の最後の10年間に等身大かつ全身像の立ち姿の聖人を何点か描いた[2]。『洗礼者聖ヨハネ』 (サン・フランシスコ美術館群英語版)、『聖ペテロ』、『聖イルデフォンソ』 (ともにエル・エスコリアル修道院) などであり、それらは画家の作品中、最も印象的なもののうちに数えられる[2]

シエナの聖ベルナルディーノ英語版 (1380-1444年) は貴族階級の家で育ち、知的な人間的形成を受けた。1400年には、フランシスコ会に入っている[1]。画面のベルナルディーノはフランシスコ会の僧衣を纏い、右手には上にイエス・キリストを表すモノグラム「IHS」がついた杖を握っている。左腕の下には、プラテレスコ様式 (16世紀スペインの装飾様式) に特徴的な装丁の書物を持っている。画面下部右側の聖人の足元には、ベルナルディーノがシエナウルビーノフェラーラで拒否した3つの司教職に対応する3つのミトラが置かれている[1]。これらのミトラは、ベルナルディーノを表すアトリビュート (人物を特定する事物) である[2]。画面下部左側の奥には風景が見え、トレドの町のいくつかの建物がある[1]

ベルナルディーノは嵐の雲のある空を背景に立っており、それが彼の身体像に堂々たる性格を与えている[1]。作品は三角形構図を持ち、衣服の裾が底辺で、聖人の繊細で小さな頭部が頂点となっている。彼は30歳くらいの人物であり、鋭い視線を持つ、画家エル・グレコと同年代の人物の容貌である。顔立ちはよく、先の尖った顎髭と口髭、大きなアーモンド形の目をしている。憂鬱そうな表情は、17世紀初めにエル・グレコがトレドで描いた騎士たちの表情に近い[1]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i San Bernardino”. プラド美術館公式サイト (スペイン語の英訳). 2025年9月3日閲覧。
  2. ^ a b c d e Saint Bernardino”. Web Gallery of Artサイト (英語). 2025年9月2日閲覧。
  3. ^ St. Bernardino of Siena”. Spain is Culture. 2020年7月22日閲覧。

参考文献

外部リンク




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