ヘロニモ・デ・セバリョスの肖像
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/23 16:38 UTC 版)
スペイン語: Retrato de Jerónimo de Cevallos 英語: Portrait of Jerónimo de Cevallos |
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作者 | エル・グレコ |
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製作年 | 1613年 |
種類 | キャンバス上に油彩 |
寸法 | 64 cm × 54 cm (25 in × 21 in) |
所蔵 | プラド美術館、マドリード |
『ヘロニモ・デ・セバリョスの肖像』(ヘロニモ・デ・セバリョスのしょうぞう、西: Retrato de Jerónimo de Cevallos、英: Portrait of Jerónimo de Cevallos)は、クレタ島出身のマニエリスム期のスペインの巨匠エル・グレコが晩年の1613年に制作したキャンバス上に油彩で制作した肖像画である。元来、エル・パルド宮殿のアルコ公爵の別邸 (Quinta del Duque del Arco) に掛けられていた[1]が、現在はマドリードのプラド美術館に所蔵されている[1][2]。
作品
作品は、エスカロナ出身の著名な自然法の法律家ヘロニモ・デ・セバリョスを描いている[1]。彼はサラマンカ大学で法律を学んだ人物で、1600年ごろに秘書および評議員としてトレドに定住した[2]。「モーラ伯爵の学院 (Academy of the Count of Mora)」といわれた、トレドの知的、文学的サークルの重要人物が出席した討論会のメンバーでもあった。本作の人物がヘロニモ・デ・セバリョスだと特定されたのは、セバリョスの著作『Tractatus de cognitione per viam violentiae in causis Ecclesiasticis』に載せられているペドロ・アンヘル (Pedro Ángel ) 作の同時代のエングレービングによる[1][2]。いくつかの情報源によると、彼はエル・グレコの息子ホルヘ・マヌエル・テオトコプリの芸術庇護者、保護者であった。
本作は間違いなくエル・グレコの肖像画中の傑作であり、彼の技術だけでなく人物に対する非常な繊細さも示している[2]。巨大な襞襟はやや気取っているように見える一方で、揺らめくような輪郭線と大まかに描かれた顔立ちは、ヘロニモ・デ・セバリョスの尊厳と平穏さを伝えている[2]。なお、本作の無地の背景は、ティツィアーノとヴェネツィア派に影響を受けている。
脚注
参考文献
- ÁLVAREZ LOPERA, José, El Greco, Madrid, Arlanza, 2005, Biblioteca «Descubrir el Arte», (colección «Grandes maestros»).
- SCHOLZ-HÄNSEL, Michael, El Greco, Colonia, Taschen, 2003.
外部リンク
- プラド美術館公式サイト、エル・グレコ『ヘロニモ・デ・セバリョス』 (英語)
- Web Gallery of Artサイト、エル・グレコ『ヘロニモ・デ・セバリョス』 (英語)
- ArteHistoria.com. «Jerónimo Cevallos». [Consulta: 09.01.2011].
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