サッカーウズベキスタン代表とは? わかりやすく解説

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サッカーウズベキスタン代表

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/14 02:12 UTC 版)

サッカーウズベキスタン代表
国または地域 ウズベキスタン
協会 ウズベキスタンサッカー協会
愛称 White Wolves Turanians
(白い狼)
監督 ティムル・カパーゼ
最多出場選手 セルヴェル・ジェパロフ(128試合)
最多得点選手 エルドル・ショムロドフ(37得点)
ホームスタジアム ブニョドコル・スタジアム
パフタコール・マルカジイ・スタジアム
ホームカラー
アウェイカラー
初の国際試合
 タジキスタン 2–2 ウズベキスタン
(ドゥシャンベ, タジキスタン; 1992年6月17日)
最大差勝利試合
 モンゴル 0–15 ウズベキスタン
(チエンマイ, タイ王国; 1998年12月5日)
最大差敗戦試合
 日本 8–1 ウズベキスタン
(サイダ, レバノン; 2000年10月8日)
FIFAワールドカップ
出場回数 1回(初出場は2026
最高成績 未定
AFCアジアカップ
出場回数 8回
最高成績 4位 (2011)

サッカーウズベキスタン代表(サッカーウズベキスタンだいひょう、ウズベク語:Oʻzbekiston milliy futbol terma jamoasi)は、ウズベキスタンサッカー協会(UFA)によって構成される、ウズベキスタンサッカーナショナルチームである。

概要

FIFAワールドカップ本大会出場歴は無い。予選には1998年フランス大会から参加しており、2018年ロシア大会予選まで6大会連続で最終予選まで進出した。2026年北中米大会に初出場する予定[1]

AFCアジアカップでは継続的に好成績を残しており、2004年中国大会から6大会連続で決勝トーナメント進出を果たしている。最高成績は2011年カタール大会で残した4位[2]

韓国に対して極めて相性が悪く、2024年10月時点で1勝4分11敗と大きく負け越している。唯一の白星は初対戦の1994年アジア競技大会の準決勝(1-0)である[3]

歴史

1990年代 - 2000年代

ウズベキスタンのサポーター(2010 FIFAワールドカップ・アジア予選日本戦)

ソビエト連邦欧州サッカー連盟(UEFA)だった関係で中央アジア諸国は独立後、欧州サッカー連盟(UEFA)かアジアサッカー連盟(AFC)か選択できたが、1994年にAFCに加入した。

初めて参加した国際大会である1994年・広島アジア大会で優勝し[4]、一躍アジアサッカーの雄に名乗りを上げた。その後出場した1996年アジアカップ2000年アジアカップでは2大会連続で1次リーグ敗退に終わっている。

2004年度2007年度には連続してアジアカップ決勝トーナメント(ベスト8)に進出した。

AFCアジアカップ2004

中国で開催されたAFCアジアカップ2004では、イラク、前回大会準優勝のサウジアラビア、初出場トルクメニスタン相手に3連勝して、初めて決勝トーナメントに進出。準々決勝ではバーレーンと120分間で2-2と決着がつかず突入したPK戦の末に敗れてベスト8となった[5]

2006年W杯ドイツ大会

2006 FIFAワールドカップ・アジア予選最終予選ではグループA3位となり、バーレーンとのアジア5位決定戦(3次予選)に回った[6]ホーム・アンド・アウェー第1戦(タシュケント)、ウズベキスタン1点リードの前半39分に、主審の吉田寿光がウズベキスタンにPKを与えた。セルヴェル・ジェパロフがこれを決めたが、ウズベキスタンの選手がペナルティエリア内に入ったとしてノーゴールとなった。本来ならPKのやり直しとなるが、吉田主審はバーレーンにフリーキックを与えた[7]。試合はそのまま1-0でウズベキスタンが勝利したが、試合後PKのルール適用ミスを指摘したウズベキスタン協会側から「3-0でウズベキスタンの勝利とするべきだ」と提訴がされた[8][9]。提訴の結果、3-0となるどころかウズベキスタンが勝利したにも関わらず再試合となり、再試合の結果は1-1の引き分け。アウェーでの2戦目は0-0で、2戦合計1-1で並ぶもアウェーゴール・ルールにより敗退となった。

2010年W杯南アフリカ大会・アジア予選でも最終予選に進んだが、グループリーグ最下位で敗退となった。

2010年代

親善試合のウクライナ戦に臨むウズベキスタン代表 (2011年)

AFCアジアカップ2011ではグループリーグを首位で通過し、最終的には過去最高位となる4位となった[10]2014年W杯ブラジル大会・アジア3次予選ではAFCアジアカップ2011王者の日本をアウェーで下し、グループ首位で4次予選へ進出した[11]。4次予選では韓国に勝ち点で並ぶもわずかに得失点差1で及ばずA組3位の成績で、B組3位のヨルダンとアジア第5代表を争う5次予選に出場。第1戦、第2戦ともに1-1で延長戦でも決着がつかずPK戦となったが、その末に敗れワールドカップ出場はならなかった。AFCアジアカップ2015ではグループリーグを2位で突破したが、準々決勝で延長戦の末韓国に敗れベスト8となった[12]

2018年W杯ロシア大会・アジア予選では3次予選まで進出し、序盤は自動出場権獲得の2位につけるなど善戦していたが、アウェーでシリア中国に敗れるなどで第9節終了時点で出場圏外の4位に転落。最終節はホームで韓国を破ればW杯初出場へ大きく前進するところだったが、後半は防戦一方となるなど精彩を欠き最終的に0-0のスコアレスドロー[13]。同時刻に行われていたイランとシリアの試合が2-2の引き分けで終わったため、結果勝ち点で並んだシリアに得失点差で及ばずグループA4位でプレーオフにすら進めず予選敗退となった。

AFCアジアカップ2019ではグループを2位で突破し、ラウンド16で過去これまで3回対戦し3敗しているオーストラリアと対戦し、0-0で延長でも決着がつかずPK戦にもつれこんだが、これに2-4で敗れベスト16で敗退した。

2020年代

2022年W杯カタール大会・アジア予選では、1次予選を免除され2次予選から参加。サウジアラビア、パレスチナシンガポールイエメンと同組となった。しかし、サウジアラビアに2敗[14][15]、パレスチナとは1勝1敗[16][17]に終わるなど5勝3敗・グループ2位という成績で2次予選を終了[18]。首位に加えて最終予選進出となる各組2位の成績上位5チームに入れなかった[19]W杯の予選においてウズベキスタンが最終予選に進めずに敗退が決定するのはこの大会が初であった。

AFCアジアカップ2023・3次予選では格の違いを見せつけ3戦全勝で出場権を獲得した。カタール開催の本大会では、グループリーグ・B組の初戦でシリアとスコアレスで引き分け[20]インドには3-0で快勝した[21]。1勝1分で迎えたオーストラリアとの最終戦はPKで先制点を許すも試合終盤に追いついて引き分けに持ち込み、B組2位で6大会連続決勝トーナメント進出を決めた[22]。決勝トーナメントではタイを2-1で下すも[23]、準々決勝で後に優勝を決める開催国カタールPK戦の末敗れ[24][25]、2011年カタール大会以来のベスト4進出は果たせなかった。

W杯初出場

2026年北中米W杯アジア予選では最終予選に進出。その最終予選ではイランやカタール等の強豪が同居するグループAに振り分けられたが、着実に勝ち点を積み上げた。2025年6月6日の第9節でアラブ首長国連邦と引き分け、初参戦から約30年にしてW杯初出場の切符を掴んだ[26]

ホームスタジアム

ウズベキスタン代表は2つのスタジアム本拠地としている。

成績

FIFAワールドカップ

  • 1998 - 予選敗退
  • 2002 - 予選敗退
  • 2006 - 予選敗退
  • 2010 - 予選敗退
  • 2014 - 予選敗退
  • 2018 - 予選敗退
  • 2022 - 予選敗退
  • 2026 - 本大会出場権獲得

AFCアジアカップ

開催年 結果 試合 勝利 引分 敗戦 得点 失点
1996 グループリーグ敗退 3 1 0 2 3 6
2000 3 0 1 2 2 14
2004 ベスト8 4 3 0 1 5 2
2007 4 2 0 2 10 4
2011 4位 6 3 1 2 10 13
2015 ベスト8 4 2 0 2 5 5
2019 ベスト16 4 2 1 1 7 3
2023 ベスト8 5 2 3 0 7 3
合計 8/18 33 15 6 12 49 50

歴代監督

名前 国籍
ルスタム・アクラモフ 1992.6-1994.10
アレクサンドル・イヴァンコフ 1995.7-1995.11
バハディール・イブラギモフ 1996
ルスタム・ミルサディコフ 1996.5-1997.10
ウビラジャラ・ヴェイガ・ダ・シルヴァ 1997.10-1998.12
マフムード・ラヒモフ 1999.7-2000.2
ヴィクトル・ボリソフ 2000.2
パーヴェル・サディリン 2000.4-2000.5
ユーリイ・サルキシャン 2000.7-2004.2
ヴラジーミル・サルコフ 2000.12-2001.10
ラフシャン・ハイダロフ 2002.1-2004.11, 2005
レオニード・オストロウシュコ 2004.2-2004.4
ハンス・ユルゲン・ゲーデ 2004.2-2000.10
ボブ・ホートン 2005.6-2005.12
ヴァレリー・ニポムニシ 2006.1-2006.12
ラウフ・イニレーエフ 2007.1-2008.9
ミルジャラル・カシモフ 2008.9-2010.4
ヴァディム・アブラモフ 2010.4-2012.6.4
ミルジャラル・カシモフ 2012.6.4-2015.6.24[27]
サムヴェル・ババヤン 2015.6.24-2017.9.11[28][29]
ルズィクル・ベルディエフ 2017.10.17-2017.12[30]
ティムル・カパーゼ 2018.2-2018.6
エクトル・クーペル 2018.10[31]-2019.9
ヴァディム・アブラモフ 2019.9-2021.6
スレチコ・カタネッツ 2021.8-2025.1
ティムル・カパーゼ 2025.1-

歴代選手

GK

DF

MF

FW

歴代記録

出場数ランキング

2023年6月20日時点

  水色は現役選手
順位 名前 出場 得点 期間
1 セルヴェル・ジェパロフ 128 25 2002-2017
2 ティムル・カパーゼ 119 10 2002-2015
3 オディル・アフメドフ 108 21 2007-2021
4 イグナティ・ネステロフ 105 0 2002-2019
5 アンズル・イスマイロフ 102 3 2007-2019
6 アレクサンドル・ゲインリフ 97 31 2002-2017
7 アジズベク・ハイダロフ 85 1 2007-2018
8 イスロム・トフタホジャエフ 73 2 2009-2021
9 ヴィタリー・デニソフ 72 1 2006-2018
10 ミルジャラル・カシモフ 67 31 1992-2005

得点数ランキング

最多得点者であるエルドル・ショムロドフ

2023年6月20日時点

  水色は現役選手
順位 名前 得点 出場 期間
1 エルドル・ショムロドフ 37 66 2015-
2 マクシム・シャツキフ 34 61 1999-2014
3 ミルジャラル・カシモフ 31 67 1992-2005
アレクサンドル・ゲインリフ 97 2002-2017
5 セルヴェル・ジェパロフ 25 128 2002-2017
6 オディル・アフメドフ 21 108 2007-2021
7 イーゴリ・シュクヴィリン 20 31 1992-2000
8 イゴール・セルゲーエフ 17 66 2013-
9 ジャファル・イリスメトフ 15 36 1997-2007
10 ウルグベク・バカイェフ 14 52 2001-2014

脚注

  1. ^ ウズベキスタンが史上初のW杯へ! 8度目挑戦で歓喜の涙…カタールら強豪を押し退けてグループ2位以内を確定”. www.football-zone.net (2025年6月6日). 2025年6月5日閲覧。
  2. ^ 朴智星不在も韓国3位死守/アジア杯 - アジア杯2011”. nikkansports.com. 2024年9月19日閲覧。
  3. ^ Uzbekistan national football team: record v Korea Republic”. 2024年10月22日閲覧。
  4. ^ アジア大会過去の優勝国一覧”. ゲキサカ (2014年8月1日). 2025年6月19日閲覧。
  5. ^ 2004年アジア杯準決勝、奇跡の逆転勝利をもたらした宮本恒靖の独断”. 集英社 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva (2019年3月1日). 2024年9月19日閲覧。
  6. ^ アジア5位決定戦の勝者が、北中米カリブ海予選4位のトリニダード・トバゴとのワールドカップ出場権を賭けた大陸間プレーオフに進出できるものとされた。
  7. ^ No.573 吉田主審の魔の瞬間 | サッカーの話をしよう 大住良之オフィシャルアーカイブサイト”. www.soccertalk.jp. 2024年9月19日閲覧。
  8. ^ No.574 なぜ再試合が決定されたのか | サッカーの話をしよう 大住良之オフィシャルアーカイブサイト”. www.soccertalk.jp. 2024年9月19日閲覧。
  9. ^ asahi.com:日本人主審のミスで再戦、W杯アジアプレーオフ第1戦 - スポーツ”. www.asahi.com. 2024年9月19日閲覧。
  10. ^ [ア杯韓国、3位をもぎ取る]”. ゲキサカ (2007年7月29日). 2025年6月19日閲覧。
  11. ^ 日本、ウズベキスタンに敗れる 韓国は最終予選進出 W杯アジア予選”. www.afpbb.com. 2025年6月19日閲覧。
  12. ^ 韓国4強、孫興民が延長戦で2得点 アジアカップ”. www.afpbb.com. 2025年6月19日閲覧。
  13. ^ 韓国が9大会連続のW杯出場、シリアが3位守る アジア最終予選”. www.afpbb.com. 2025年6月19日閲覧。
  14. ^ MD5 - Group D: Uzbekistan 2-3 Saudi Arabia” (英語). the-AFC. 2024年10月15日閲覧。
  15. ^ Saudi Arabia 3-0 Uzbekistan (Jun 15, 2021) Final Score” (英語). ESPN. 2024年10月15日閲覧。
  16. ^ UzDaily. “Palestine secures a stunning 2-0 victory over Uzbekistan” (英語). UzDaily.uz. 2024年10月15日閲覧。
  17. ^ Uzbekistan 2-0 Palestine (Nov 19, 2019) Final Score” (英語). ESPN. 2024年10月15日閲覧。
  18. ^ FIFAワールドカップカタール2022 アジア2次予選の特設ページ”. 日程・結果|アジア2次予選 (FIFAワールドカップカタール2022 特設ページ)|SAMURAI BLUE|日本代表|JFA|公益財団法人日本サッカー協会. 2024年10月15日閲覧。
  19. ^ 日本代表、来年W杯最終予選前にウズベキスタン代表と親善試合! テレビ放送は調整中 | Goal.com 日本”. www.goal.com (2021年11月29日). 2024年10月15日閲覧。
  20. ^ Group B: Uzbekistan 0-0 Syria” (英語). the-AFC. 2024年10月15日閲覧。
  21. ^ Uzbekistan 3-0 India (18 Jan, 2024) Final Score - ESPN (UK)” (英語). ESPN. 2024年10月15日閲覧。
  22. ^ 豪州がB組1位で決勝Tへ ウズベキスタンは2位突破|山形新聞”. やまがたニュースオンライン. 2024年10月15日閲覧。
  23. ^ ウズベキスタンが2-1勝利で準々決勝進出! 石井監督率いるタイはスパチョークが同点弾も及ばず【アジア杯】 | サッカーダイジェストWeb”. www.soccerdigestweb.com. 2024年10月15日閲覧。
  24. ^ 前回王者カタールがベスト4へ!PK戦でウズベキスタン下す | Goal.com 日本”. www.goal.com (2024年2月3日). 2024年10月15日閲覧。
  25. ^ 前回王者カタールがベスト4へ!PK戦でウズベキスタン下す | Goal.com 日本”. www.goal.com (2024年2月3日). 2024年10月15日閲覧。
  26. ^ ウズベキスタンが史上初のW杯へ! 8度目挑戦で歓喜の涙…カタールら強豪を押し退けてグループ2位以内を確定”. www.football-zone.net (2025年6月6日). 2025年6月5日閲覧。
  27. ^ ウズベキスタン代表アブラモフ監督辞任。後任はカシモフ-2012年6月4日
  28. ^ ウズベキスタン代表監督が交代 ババヤン氏、就任へ-2015年6月24日
  29. ^ 初のW杯出場を逃したウズベキスタンがババヤン監督を解任-2017年9月11日
  30. ^ Рузикул Бердиев назначен врио главного тренера сборной Узбекистана по футболу
  31. ^ ロシアW杯へ導いた元エジプト代表指揮官、ウズベキスタンの監督に就任決定

関連項目

外部リンク



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