コンピュータウイルスやワームとの比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/29 15:06 UTC 版)
「ルートキット」の記事における「コンピュータウイルスやワームとの比較」の解説
コンピュータウイルスとルートキットの鍵となる違いは増殖の仕方にある。ルートキットと同様に、コンピュータウイルスはシステムの中核ソフトウェアコンポーネントを修正し、「感染」の隠蔽を試みたり攻撃者にある種の機能やサービスを提供したりするコード(ウイルスの「ペイロード」)を追加する。 ルートキットの場合、ペイロードはルートキット(システムへと侵入したソフトウェア)の一貫性を維持しようとすることがある --- 例えばルートキットのpsコマンドは実行されるたびにシステムのinitやinetdのコピーをチェックして、それらがのっとられたままであることを確認し、必要なら「再感染」を行なうかもしれない。ペイロードの残りの部分の目的は、侵入者がシステムを制御下に置き続けられるようにすることである。システムの制御は一般に、ハードコードされたユーザ名/パスワードの組、隠されたコマンドラインスイッチ、もしくは秘密の環境変数設定といったバックドアを介して行なわれる。バックドアにより、のっとられていないプログラムが提供するはずの正常なアクセス制御ポリシーを覆すのである。いくつかのルートキットはポートノッキングチェックをinetdやsshdといった既存のネットワークデーモン(サービス)に加えたりする。 コンピュータウイルスはどのような種類のペイロードでも運べるが、それに加えてコンピュータウイルスは他のシステムへの伝播をも試みる。一般にルートキットのすることはひとつのシステムの制御の維持に限られている。 自動的にネットワークをスキャンして脆弱性のあるシステムを探し、脆弱性をついてシステムをのっとるプログラムもしくは一揃いのプログラムはコンピュータワームと呼ばれる。またもっと受動的に動作する形のコンピュータワームもあり、ユーザ名とパスワードを盗聴してそれを使ってアカウントをのっとり、そうして得たアカウントのそれぞれに自分自身のコピーをインストールする(そして普通はのっとったアカウント情報をある種の隠れチャネルを通じて侵入者へ送る)。 勿論混成型も存在する。ワームはルートキットをインストールできるし、ルートキットはひとつないしそれ以上のワームやスニファやポートスキャナのコピーを含んでいるかもしれない。ウイルスであると同時にワームであるようなマルウェアも存在する。こうした言葉は全て使われ方がある程度重なっているものであり容易に合成されるものでもある。
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