コンクリートダムの工法とは? わかりやすく解説

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コンクリートダムの工法 (こんくりーとだむのこうほう)

 コンクリートダムについては、コンクリート打設方法により、様々な工法ありますが、代表的な工法としては以下のようなものがあります
 なお、工法の名称は、人により、時により異なった使われ方がされる場合があり、明確な統一的定義があるわけではないようです
ブロック工法
 ダムのコンクリート打設の際、コンクリート内部温度応力によりクラック発生することを防止するため、コンクリートダム縦継目横継目によっていくつかのブロック分割してコンクリート打設する工法ブロック大きさダム軸方向には15m、上下方向には40m程度とするのが一般的です。ブロック型枠形成しブロックごとにコンクリート打設ます。施工途中に各ブロック柱状立ち上がりブロック間で段差ができるので、柱状工法柱状ブロック工法などといわれることもあるようです。
 この工法以前から用いられていた工法で、従来工法として分類されることがありますブロック間に5m〜10mの段差ができるので安全上問題があることやクレーン打設するしか方法がないことなど制約あります

レヤ工法
 ブロック工法縦継目横継目によっていくつかのブロック分割してコンクリート打設するのに対し縦継目設けず横継目のみによってブロック分割してコンクリート打設する工法です。ブロック工法ブロック間の高低差を2リフト〜8リフト3m〜12m)設けながら打設しているのに対し高低差設けずに1リフト差のまま打ち継いでいきます拡張レヤ工法区別するため、柱状レヤ工法、あるいはブロックレヤ工法呼ばれることもあります
 ブロック工法とともに従来工法分類されます。

拡張レヤ工法
 コンクリートダム合理化施工法一つELCMExtended Layer Construction Method の略、エルコム発音されるようです)ともいいます
 コンクリートダム打設する際、レヤ工法では横継目により多数ブロック分割されますが、拡張レヤ工法施工設備などの許す範囲内できるだけ継目設けず大きな範囲一度打設する工法です。横継目は、打設後、振動目地切機などにより設置します打設面に段差生じないため、RCD工法とともに面状工法として分類されることがあります横継目型枠省略できること、施工ヤード広くなり大型機械使用できることなどにより、施工効率化省力化が可能です。
 この工法は、1979年一庫ダムの副減勢工試験的に施工されその後ダム本体にも採用されるようになり、現在では中・小規模の重力式コンクリートダムの主流工法となってます。(→日本のダム:拡張レヤ工法

RCD工法
 Roller Compacted Dam-Concrete の略。コンクリートダム合理化施工法としてわが国開発されたもので、セメントの量を少なくした超硬練りコンクリートブルドーザーで敷均し振動ローラ締め固め工法です。打設面に段差生じないため、拡張レヤ工法とともに面状工法として分類されることがあります従来工法比べブルドーザー振動ローラといった多く機械を使うことができること大量打設可能なことなどの利点があり、工期短縮工費低減工事安全性を図ることができます
 この工法は、197880年島地川ダム世界で初め施工され以降徐々に採用広がり近年は、宮が瀬ダム浦山ダム月山ダムなどの大型ダムも完成し中・大規模コンクリートダム主流施工法となってます。(→日本のダム:RCD工法


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