コンクリートの安全性問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/25 03:45 UTC 版)
「北九州トンネル」の記事における「コンクリートの安全性問題」の解説
1999年(平成11年)6月27日に、同じ山陽新幹線小倉 - 博多間にある福岡トンネル内において、トンネルの覆工を形成するコンクリートの塊が落下し、走行中の新幹線車両を直撃して破壊し、以降ダイヤを混乱させる福岡トンネルコンクリート塊落下事故が発生した。この事故を契機としてコンクリート構造物の劣化に関する社会不安が高まり、トンネル覆工コンクリートの点検および補修作業が実施された。作業を完了したとして安全宣言が出された直後の10月9日、始発前の点検作業時に北九州トンネル内で側壁コンクリートの打込部の一部がはがれて落下しているのが見つかり、再び社会問題となった。 この落下したコンクリート塊は、トンネル上部のアーチ部のコンクリートを先に打設し、側壁部のコンクリートを後から打設する場合に、アーチ部の陰になる部分にコンクリートが入り込まず充填不足になりがちなために、打ち込み口という張り出し部を設けてそこから流し込む施工法を取ったために形成された張り出し部位であった。この部位は構造上は不要な部分で、完成後は除去するのが一般的であったが、当該部分では実際には残されていた。ここに発生したひび割れに、漏水が浸透し、列車通過時の振動などの影響を繰り返し受けることによってひび割れが拡大して、最終的に剥落に至ったものと推定された。 山陽新幹線のトンネル総点検の結果、覆工コンクリートの異音部やジャンカが発見され、浮いているコンクリートを強制的に叩き落としたり鋼板などで補強したりする対策がとられた。また無作為抽出でコア抜きを行って圧縮強度を検査した結果、もっとも強度が小さいものでも要求される基準強度を上回っていたことが確認され、最終的に運輸省により安全が宣言された。
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