コンクリートは温泉地に耐えられるのか(材料化学的問題)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 00:00 UTC 版)
「別府明礬橋」の記事における「コンクリートは温泉地に耐えられるのか(材料化学的問題)」の解説
先述の通り、硫化水素と硫黄泉により、強酸性(pH4~6程度、場所により4以下)の土壌となっているこの地域に塩基性(pH12-13程度)の鉄筋コンクリートを施工することは、酸塩基反応による中和(コンクリートの中性化)を超えて、酸による腐食が進行する。これにより、鉄筋の腐食、ひいてはコンクリートそのものの劣化が起こり、強度が一気に低下してしまう。その対策のため、着工の7年前である1978年(昭和53年)から10年をかけて、腐食実験(耐久試験)が行われた。 実験では、明礬温泉で、硫化水素が噴出する地域である、「明礬地獄」の湯ノ花小屋の一角を借り、そこに鉄筋コンクリート片を置いて、腐食に関連する因子の特定と定式化を実施した。解析の結果、コンクリートの腐食が土壌pHと暴露期間により比例的に進行していくことが示された。これを基に、耐用年数を50年としてコンクリート量の設計を実施した。さらに、エポキシ樹脂モルタルを吹き付けることで防食対策を実施した。
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