ケイ酸が粘性を左右する理由
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/17 12:26 UTC 版)
純粋なケイ酸 S i O 2 {\displaystyle {\rm {SiO_{2}}}} は4面体の原子配列を持つ。4面体の中心にケイ素原子があり4本の結合手で酸素と結合している。各頂点の酸素は隣の4面体と共有されている。この構造が三次元的に繰り返し連続して網目構造を作る。この三次元網目構造はケイ酸の融点とされる2,000℃でも有効であり、粘性を極端に大きくしている。このためケイ酸を重量65%程度含むデイサイト質溶岩は粘性が大きく流動性に乏しい。 マグマの中にはケイ素以外に他の金属が含まれる。ケイ酸の網目中にマグネシウム・鉄・カルシウムなどの金属原子が入ると、4面体の連続性が損なわれ、三次元網目構造が崩れる。玄武岩は金属成分に富みケイ酸の重量が少ない(40~50%)ため、三次元網目構造の影響は非常に小さく、低粘性の溶岩となる。 なお、地中奥深くの超高圧の状況では水がケイ酸と反応して岩石の融解温度を下げてマグマを形成する。→火山参照。その他二酸化炭素が溶け込んだ状態でも流動温度が低くなることが確かめられている。
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