ケインズの階級観
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 04:09 UTC 版)
ケインズは、企業者と労働者とからなる活動階級 (active-class) と資金の供給側である投資者(債権者)からなる非活動階級 (inactive-class) の二階級観をもっていた。 インフレーションは金利生活者に損失を、デフレーションは失業によって労働者に損失をもたらすものと見ていた(「貨幣改革論」)が、ことにストックの価値を高めるデフレーションは、活動階級の犠牲の下に貨幣愛に囚われた非活動階級に利得を得させるものと捉え、これを緩やかなインフレーションよりも問題の多いものと見ていた。 また非活動階級に対しては当時投資の流動化によって企業が「投機の渦巻きの中の泡沫」と化していたことを問題とし、また当時のような極端な富の不平等を不確実性および無知に乗じて獲得された利益によるものとして排斥した上、本人の活動によらない富に対する課税として相続税の極端な強化を主張しており、総じて「金利生活者の安楽死」という表現に象徴されるように、非活動階級から活動階級への経済上の支配権の交替を求めていた。
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