クラッシュ、そして修復
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/26 07:22 UTC 版)
「ジャガー・XJ13」の記事における「クラッシュ、そして修復」の解説
その後1971年、翌年からジャガー・Eタイプ#シリーズ3 5.3リットルにV型12気筒エンジンが搭載されることが決定した。このV型12気筒エンジンはXJ13用に開発された元のエンジンを公道用にデチューンして、DOHCからSOHCに仕様変更したものであった。そこでジャガー首脳陣は倉庫に保管されていたXJ13を販売促進用のプロモーションに利用することを思いついた。 1972年1月20日、プロモーションビデオ撮影のためにXJ13はデヴィスが運転してMIRAのサーキットを再び走行することとなった。しかし長い間メンテナンスもされずに倉庫にしまわれていたXJ13は、140mph(225km/h)でバンク走行中にリアホイールが疲労限界に達して破損し、それによってコントロールを失いクラッシュしてしまった。幸いデヴィスは無事(翌日普通に出社したほど)だったが、クラッシュしたXJ13は大破してしまった。 XJ13のクラッシュを目の当たりにした関係者は、苦労して開発したXJ13をそのまま処分する気になれず、修復を決意した。シャーシはオリジナルの図面と治具をもとに正確に修復され、ボディも残存していた木型を使って新たに作られた。型が廃棄されて修復不可能になったマグネシウム製ホイールは、似たような形状のものを見つけて加工して取り付けた。そして2年後、XJ13はほとんど完全な形で修復された。 修復されたXJ13は現在、コヴェントリーのジャガー本社工場内にある資料館「ジャガー・ダイムラー・ヘリテイジ・トラスト」(JAGUAR DAIMLER HERITAGE TRUST) に保管されている。レースでの活躍は結局叶わなかったが、流麗なデザインとその悲劇的な開発経緯から人気は高く、今でも各地のイベントでその姿を見ることができる。
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