キリシタン版・古活字版
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 20:17 UTC 版)
日本にヨーロッパ式の活字および印刷術が伝来したのは1590年(天正18年)のことである。イエズス会がグーテンベルク系の印刷機を日本に持ち込み、教育や福音伝道に用いる書物を印刷した(これは「キリシタン版」と呼ばれている)。また、豊臣秀吉が1593年(文禄2年)に朝鮮へ出兵した際に朝鮮の金属活字を日本に持ち込み、後陽成天皇に献上したとされるが、これで印刷されたものは知られていない。いずれにせよ、これらの環境によって、木活字による印行を活発にし、古活字版と通称される書籍群を生み、出版文化の基礎を築いた。その代表例が、慶長勅版(慶長2-4年)、伏見版(慶長6-11年)などである。伏見版で使われた木活字の一部は、開版の地であった円光寺に今もって保存されている(重要文化財)。古活字版は市場に対応できず、整版に譲って、印行部数も少なく写本と同じ扱いであった。キリシタン版及び嵯峨版は、連綿させた複数の字で一つの活字のブロックを作ったもの(連綿活字)を多用しているが、それ以降は散見されるのみであった。。
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