黄花秋桐
キバナアキギリ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/22 07:35 UTC 版)
キバナアキギリ | |||||||||||||||||||||
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キバナアキギリ
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Salvia nipponica Miq. (1865)[1][2] | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
キバナアキギリ |
キバナアキギリ(黄花秋桐[3]、学名: Salvia nipponica)は、シソ科アキギリ属に分類される多年生、草本の植物。別名はコトジソウ[1]。
分布・生育地
本州(青森県日本海側以南[4])、四国、九州の山沿いの平地から山地まで広く分布する[3]。丘陵や山麓、谷間などの木陰にまばらに、あるいは集団を作って生える[2][3]。
形態・生態
多年生草本[3]。数本の太い根が生えている[3]。茎は四角形の断面で、その根本はやや横に這うことが多く、高さ 20 - 50センチメートル (cm) になる[2][3]。茎や花序にはシナノアキギリ (S. koyamae Makino) と異なり腺毛がない[2]。
葉は茎に対生し、葉柄は長く、葉身は長さ 5 - 10 cmの三角状鉾形で、基部が横に張り出す[2][3]。
開花期は 8 - 9 月[3]。枝の端につく花穂は 10 - 20 cm の長さとなり、黄色の唇形の花をつけ、花冠は長さ 2.5 - 3.5 cm になる[2][3]。雄蕊は 2本で不完全(不稔)葯でつながる[2]。花筒の雄蕊にはもぐりこんだ昆虫の背に花粉を付ける構造がある[2]。
利用
4 - 6月ごろの若芽を食用とする[3]。若芽は塩ひとつまみほど入れた湯で茹でて、ごま・クルミ・ピーナッツなどの和え物や煮びたしにする[3]。生のまま天ぷらや汁の実にも利用できる[3]。
近縁種
中部地方から近畿地方にかけて、紫色の花をつけるアキギリ(学名: Salvia glabrescens)もある[3]。
脚注
- ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Salvia nipponica Miq. キバナアキギリ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年4月30日閲覧。
- ^ a b c d e f g h 『日本の野生植物』 (1999)、p.80
- ^ a b c d e f g h i j k l m 高橋秀男監修 2003, p. 140.
- ^ “植物地理・分類研究 58巻2号 p,77-87 青森県の北限・南限植物 (受賞記念講演記録) p,82”. CORE (2011年3月30日). 2025年7月22日閲覧。
- ^ Flora of China
参考文献
- 佐竹義輔、大井次三郎、北村四郎 他『日本の野生植物 草本III合弁花』平凡社、1999年。ISBN 4-582-53503-8。
- 高橋秀男監修 田中つとむ・松原渓著『日本の山菜』学習研究社〈フィールドベスト図鑑13〉、2003年4月1日、140頁。ISBN 4-05-401881-5。
外部リンク
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-) YList:キバナアキギリ 2011年8月12日閲覧。
- Flora of China 2011年8月14日閲覧。
- キバナアキギリのページへのリンク