キバナカワラマツバ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/12 00:20 UTC 版)
キバナカワラマツバ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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福島県会津地方 2015年7月中旬 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
分類(APG IV) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Galium verum L. subsp. asiaticum (Nakai) T.Yamaz.[1] | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
キバナカワラマツバ(黄花河原松葉)[4][5] |
キバナカワラマツバ(黄花河原松葉、学名:Galium verum subsp. asiaticum)は、アカネ科アカネ亜科ヤエムグラ属の多年草[4][5][6]。別名、キバナノカワラマツバ[1]。Galium verum を基本種とする亜種。
特徴
茎はやや硬く、直立して、高さは30-80cmになり、刺はないがやわらかい毛が生える。葉は8-10個が輪生し、各輪が隔たって茎につく。葉身は長さ2-3cm、幅1.5-3mm、線形で、先は短い刺があり、基部には葉柄はない。葉にやわらかい毛が生え、葉の縁はやや裏側に反り返る。これらの輪生する葉は、対生する本来の2個の葉と、残りの6-8個の、葉と同形の托葉となる[4][5][6]。
花期は7-8月。茎先や上部の葉腋から花枝を延伸させ、円錐状の集散花序をだし、淡黄色の小型で多数の花を密につける。花冠は杯形で、径2mm、先は4裂し、筒部はない。雄蕊は4個ある。子房は2室に分かれ、各室に1個の胚珠がある。花柱は2裂する。果実は2個の分果からなり、各分果に1個の種子がある。分果は径約1mmで毛はない[4][5][6]。
分布と生育環境
日本では北海道、本州、四国、九州に分布し、日当たりのよいやや乾いた草地や土手などに生育する[4][5][6]。世界では、朝鮮半島に分布する[6]。
名前の由来
和名キバナカワラマツバは「黄花河原松葉」の意で、「河原松葉」は、河原などに多く生え、輪生する細い葉の具合が松葉に似ているからいう[4][5][6][7]。
種小名(種形容語)verum は、「本家の」「正統の」「純正の」の意味、亜種名 asiaticum は、「アジアの」の意味[8]。
下位分類
本種(本亜種)には変異が非常に多い[6]。
- カワラマツバ Galium verum L. subsp. asiaticum (Nakai) T.Yamaz. var. asiaticum Nakai f. lacteum (Maxim.) Nakai[9] - 花が白色の品種[6]。
- エゾノカワラマツバ Galium verum L. subsp. asiaticum (Nakai) T.Yamaz. var. trachycarpum DC.[10] - 花が黄色で、果実に毛が密に生えるもの。南千島、北海道、本州、シベリアからヨーロッパにかけて広く分布する[6]。
- チョウセンカワラマツバ Galium verum L. subsp. asiaticum (Nakai) T.Yamaz. var. trachycarpum DC. f. album Nakai[11] - エゾノカワラマツバの花が白い品種[6]。
- エゾノケカワラマツバ Galium verum L. subsp. asiaticum (Nakai) T.Yamaz. var. trachycarpum DC. f. tomentosum Nakai[12]
ギャラリー
- 細い葉が8-10輪生し、茎にやわらかい毛が生える。
- 花が白色のものは「カワラマツバ」f. lacteum として区別される。
- カワラマツバ。葉の幅が狭く「松葉」にたとえられる。
脚注
- ^ a b キバナカワラマツバ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ キバナカワラマツバ(シノニム)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ キバナカワラマツバ(シノニム)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ a b c d e f 『山溪ハンディ図鑑1 野に咲く花(増補改訂新版)』p.422
- ^ a b c d e f 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.974
- ^ a b c d e f g h i j 内貴章世 (2017)「アカネ科」『改訂新版 日本の野生植物 4』pp.273-274
- ^ 『山溪名前図鑑 野草の名前 夏』p.96
- ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1519, p.1484
- ^ カワラマツバ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ エゾノカワラマツバ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ チョウセンカワラマツバ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ エゾノケカワラマツバ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
参考文献
- 高橋勝雄『山溪名前図鑑 野草の名前 夏』、2003年、山と溪谷社
- 林弥栄初版監修、門田裕一改訂版監修、平野隆久写真、畔上能力他解説『山溪ハンディ図鑑1 野に咲く花(増補改訂新版)』、2013年、山と溪谷社
- 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 4』、2017年、平凡社
- 牧野富太郎原著、邑田仁・米倉浩司編集『新分類 牧野日本植物図鑑』、2017年、北隆館
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
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