キッティング
キッティングとは、「使える状態へと整えるため準備すること」を意味する語。英語では kitting と表記する。動詞 kit (装備一式を揃える)の動名詞形である。とりわけ、調達したばかりのコンピュータを設置、配線し、動作確認し、各種の基本設定を行い、必要なソフトウェアをインストールするなどして、業務に利用可能な状態とする作業を指す場合が多い。
事業所などである程度まとまった台数のPCを新たに導入するような場合、個々のマシンをキッティングしていては時間がいくらあっても足りず、思わぬ設定ミスが生じる懸念も 残る。キッティングに手慣れた部署が自社内にない場合、キッティングを代行する事業者に頼むという手もある。
「キッティング」に関連する語として、「キッティングセンター」や「キッティングリスト」などの語が挙げられる。
キッティングセンターは、出荷前のコンピュータの各種設定を行う事業所のことである。
キッティングリストは、キッティング作業を進めていくうえでの指示書のことである。作業オーダーを受けた業者が主に使う語である。
キッティング
キッティングとは、英語kitの動名詞形で「装備をつけさせる」といった意味の語であり、IT用語としてはハードウェアやネットワーク環境を使用できる状態にする作業を指す語である。いわゆる「組み上げる」ことを指す場合が多い。
キッティング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/26 01:32 UTC 版)
キッティング(英: kitting)は、情報システムやIT機器の導入において、パソコンやスマートフォンなどの端末に対し、必要な設定・アプリケーションのインストール・ネットワーク接続・資産管理ラベルの貼付などを事前に実施する作業を指す。
企業や組織におけるIT資産の初期導入時に行われることが多く、IT運用管理プロセスの一部として位置づけられている[1]。
背景
従業員の入社や部署異動に伴い、新たなIT端末を迅速に業務利用可能な状態にするため、端末設定作業の標準化・効率化が求められている[2]。特にリモートワークやBYOD(私的端末の業務利用)の増加により、セキュリティポリシーやアカウント設定の事前統一の重要性が指摘されている[3]。このような背景から、IT部門または外部ベンダーによってキッティング作業が行われるケースが多い。
近年では、端末キッティングを自動化・標準化するSaaS型プラットフォームやアウトソーシングサービスも提供されており、NTT東日本[4]、富士通[5]、ジョーシスなどがサービス提供事例として紹介されている。
主な作業内容
キッティングに含まれる主な作業には、以下のようなものがある。
- OSの初期設定およびアップデートの適用
- 業務用ソフトウェア・アプリケーションのインストール
- ウイルス対策ソフト・セキュリティポリシーの導入
- ユーザーアカウントの事前作成またはSAML/SSO連携の設定
- 無線LAN・VPNなどのネットワーク接続設定
- 資産管理タグの貼付・端末情報の管理台帳登録
- 梱包・出荷(遠隔地への端末配送を伴う場合)
導入効果
一部の調査では、キッティング作業を標準化または外部委託することにより、以下のような効果が報告されている。
- IT部門の作業負担軽減とコスト削減
- セキュリティ統制の強化(共通ポリシー適用、誤設定の削減)
- 配布後の初期トラブル発生率の低下
- 業務開始までのリードタイム短縮(入社初日からの即利用)
課題
一方で、キッティングには以下のような課題も指摘されている。
- カスタマイズ対応の煩雑さ(部署や業務内容による差異への対応)
- ソフトウェアライセンスの一元管理の必要性
- 外部委託時の品質管理と情報漏洩リスク
出典:[8]
関連項目
出典
- ^ 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)『情報システムの運用と管理に関するガイドライン(2024年版)』 p.32
- ^ キッティングの効率化が働き方改革のカギ - 日経クロステック、2023年6月1日
- ^ なぜキッティングが重要か - ITmedia エンタープライズ、2021年3月9日
- ^ 端末キッティングとは - NTT東日本
- ^ 富士通のワークプレイスIT支援
- ^ キッティングとは?外注や自動化の利点・注意点 - Boxilマガジン
- ^ キッティングとは何か? - Business Journal、2023年10月
- ^ なぜキッティングが重要か - ITmedia エンタープライズ、2021年3月9日
外部リンク
- キッティングのページへのリンク