オートファゴソームの形成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/04 03:24 UTC 版)
「オートファゴソーム」の記事における「オートファゴソームの形成」の解説
オートファゴソームは小胞体上のオメガソームと呼ばれる構造から生じ、後にファゴフォアと呼ばれる構造が引き伸ばされる。 オートファゴソームの形成は、Atg12-Atg5とLC3複合体を通じて、Atg遺伝子によって調節される。Atg12-Atg5接合体はAtg16とも相互作用し、より大きな複合体を形成する。Atg12によるAtg5の修飾は、膜の伸長に必須である。 球状構造の形成後、ATG12-ATG5:ATG16L1複合体はオートファゴソームから解離する。LC3はATG4プロテアーゼにより切断され、細胞質型LC3が形成される。LC3の切断は、オートファゴソームと標的膜の最終的な融合に必須である。LC3は小胞に必要不可欠であり、融合の最後の瞬間まで結合したままであるため、免疫細胞染色においてオートファゴソームのマーカーとして用いられる。最初に、オートファゴソームはエンドソームまたはエンドソーム由来の小胞と融合する。これらの構造はアンフィソームまたはintermediate autophagic vacuoleと呼ばれる。これらの構造は、カテプシンDのような小さなリソソームタンパク質であってもエンドサイトーシスのマーカーを含む。 このプロセスは酵母でも類似しているが、遺伝子の名前は異なる。例えば、哺乳類のLC3は酵母ではAtg8であり、哺乳類細胞の前駆体構造とは異なるPre-Autophagosomal Structure (PAS)からオートファゴソームが生まれる。酵母のPASは、液胞近くに局在する複合体であるが、この局在性の意義は分かっていない。成熟した酵母のオートファゴソームは液胞かリソソームと直接融合し、哺乳類のようなアンフィソームは形成しない。 酵母のオートファゴソームの成熟の際には、Atg1、Atg13、Atg17が働く。Atg1は、オートファジーの誘導により正に制御されるキナーゼである。Atg13はAtg1を制御し、Atg13:Atg1と呼ばれる複合体を形成し、栄養源検知のマスター因子であるTorからシグナルを受け取る。Atg1は、オートファゴソーム形成の後期段階でも重要である。
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