オートファジー遺伝子の同定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 09:41 UTC 版)
「オートファジー」の記事における「オートファジー遺伝子の同定」の解説
大隅らは出芽酵母を突然変異誘起剤で処理し、ランダムに遺伝子を傷付けることでオートファジー不能変異体の作成を試みた。5000個の突然変異体の中から1つだけ変異株が見つかり、オートファジー(Autophagy)のスペルから「apg1変異体」と名付けられた。詳しい解析より、当時役割が知られていない遺伝子に傷が付いていることが分かり「APG1遺伝子」と名付けられた。大隅らはAPG1を含め14種類のオートファジー不能変異体を同定し、それらの遺伝子解析からオートファジーに必須となる14種類の遺伝子を確定し、1993年にFEBS Lettersに論文を発表した。 2003年に外国の複数のグループがAPGと同じ遺伝子を異なる名前で研究していたことが明らかとなり、オートファジー関連遺伝子の名前がATG (Autophagy)として統一された。APG1はATG1にAPG16はATG16と、大隅の付けた番号がそのまま引き継がれた。 現在(2016年)では41種類のATG遺伝子が同定されている。その内、合計18個(Atg1~Atg10,Atg12~Atg14,Atg16~Atg18,Atg29,Atg31)がオートファゴソームの形成に必須の遺伝子とされている。
※この「オートファジー遺伝子の同定」の解説は、「オートファジー」の解説の一部です。
「オートファジー遺伝子の同定」を含む「オートファジー」の記事については、「オートファジー」の概要を参照ください。
- オートファジー遺伝子の同定のページへのリンク